借金地獄に陥ってFXをやらなきゃよかったと地獄絵図を見ないために、遵守するべき基本のやり方があります。
FXで必ず勝てる保証は誰にもできませんが、少なくとも生活に大きな影響を及ぼさないためにはルールがあるのです。
概要対象者:本気でFXトレーダーになると思っている人
- FXの基本的なやり方
- FXで地獄絵図を回避するためのリスク管理の方法(ポジションの決め方、ロスカット)
- FXで借金地獄に陥る理由
FXは小さいポジションから始める
はじめの取引は上限を1万単位までにして、まず相場感覚を養うことを主眼においてください。
どんな取引スタイルが自分に合うのかを 見つけていきます。
FXの取引スタイルには、主にポジションを持つ期間の長さから大きく分けて、次の5つのスタイルがあります。
- スキャルピング
- 超短期取引
- ディトレード
- 1回の取引をその日のうちに終了させる最もポピュラーな手法
- スイングトレード
- 数日から数週間にかけて取引を行う、比較的やりやすい中期的なスタイル
- ポジショントレード
- 数ヶ月単位で取引を行う長期的なスタイル
- スワップトレード
- スワップポイントの受け取りを目的に低金利通貨を売り高金利通貨を長期的に保有するスタイル
取引スタイルにはそれぞれメリットとデメリットがあるので、自分の性格や生活リズムにあった取引スタイルを見つけることが大切です。
ディトレからスイングへと移りながら自分のスタイルを見つけていくのがオススメ。
スタイル別の攻略法について、次の記事で詳しく解説していきます。
皆さんは自分のトレードスタイルを決めていますか? 概要対象者:FX・株でトレードスタイルを決めていない人 トレードスタイルの種類 兼業トレーダー向けのスキャルピング 基本的なトレードスタイルであるディトレ サラリーマンに …
自分なりのトレードスタイルが見つかるまでは授業料を払うでしょうから、はじめは最小単位で取引を始めることです。
なれてきたら、持ち高は自分にあったサイズに変えていくことでリスク管理とロスカットの設定をしっかりしていきます。
- サイズが小さすぎるデメリット:損失の感覚が鈍くなることで、大雑把な損切りのやり方が身につき、損失を拡大させてしまうことに繋がる。
- サイズが大きすぎるデメリット:自分の資金の限界を超えるような金額で取引を行えば、一回の損失で手元資金を失うことがある。
FXにおける資金配分とポジション管理
取引を行うには、まず資金が必要です。
ポジションの大きさを決める前に忘れてはいけないことは、立ち直れなくなるような負け方をしてはいけないということです。
そのためには最初に自己資金の額を決めることから始めます。
FXトレーダーは、一か八かの勝負はさけなければなりません。
無理をせず細々と生き残ってチャンスを活かすことが重要です。
手持ちの資金額と取引を続けたい期間が決まれば、1日あたりの損失許容額(損切りライン)、ポジションのサイズを決めていくことができます。
余剰資金でFXを行う
まず、仮になくなったとしても自分の生活大きく影響がない程度の資金を用意します。
もし、借金をして取引をはじめようと思っているのなら既に負けているといっても過言ではありません。
FXなどの相場に参加するには、時間や資金などの制限をできるだけ避けてください。
余裕がない状態では、自分の感情によって、損切りや利食いが理想とは違うレベルで行ってしまいがちになります。
時間の制約も同じく時間切れでポジションを切らないといけないとなると、せっかく作ったポジションを活かすことができなくなってしまうからです。
できるだけ余裕を持った資金で取引を始めてください。
資金を小分けにして1日の損失許容額を決める
手持ち資金30万円であれば、1日5,000円という損失を超えないように取引を行えば、少なくとも3ヶ月は取引を継続することができることになります。
30万円(手持ち資金)÷3ヶ月
⇒1月あたり10万円÷4週
⇒1週間あたり2万5000円÷5日間
⇒1日の資金は5000円
=1日の損切りリミット=5000円
※手数料は省略します。
FXの特徴であるレバレッジは、損失許容度をもとに計算します。
国内FX業者に30万円を証拠金として口座にあずけておけば、1ドル100円であればレバレッジ25倍の7万5000ドル(750万円)相当の取引ができますが、7銭ほどの値幅でその日の損失リミットを超えてしまい、ポジションを持った瞬間に損切りが必要です。
最低でも50銭は思惑を反対に動いても問題ない、レバレッジ3倍の1万ドル程度であれば、ある程度余裕をもって取引ができます。
もし、一日の取引額を大きくしたいという場合には資金運用の期間を短くします。
例えば、3ヶ月を1ヶ月の運用期間を短くすれば、1日あたりの損切りリミットが1万5千円になるため、50銭の損切りラインならレバレッジ10倍の3万ドルで取引をおこなえます。
取引の金額や期間、損切りラインは人それぞれ自分にあったものを選びましょう。
いずれにしても、自分の決めた損失許容額を上回るときは必ず損切りをおこなうことが原則です。
ただし、自分の思い通りに相場が突然動き出したチャンスは臨機応変に対応しましょう。
チャンスと感じたときは、いつもより大きなポジションで攻めることも必要です。
ただし、チャンスのときでも1回の最大損失額に気をつけなければなりません。
人それぞれの決め方があるでしょうが、1週間分の1つの目安にする考え方もあります。
それ以上、損失額が膨らむと取引金額を増やしてロスカットをとおくしたりといつもスタイルを替えてしまい悪い状況に陥るからです。
インターバンク・ディターもポジションの管理は自分でやります。
売り買いは通貨ごとにブロッターというノートに書き込んでいきます。
ディラーは頭の中で自分のポジションが今何本あり、そのコストがいくらになっているかを常に把握しています。
だからこそ、利食いや損切りのレベルも常に自分でどの辺にしようかマーケットを見ながら、考えて取引を行います。
Aが資金配分を学んでいなかったときの戦績
FXの注文
FXには多彩な注文方法があり、上手に使いこなせば思わぬ損失リスクをコントロールできます。
確実にトレードしたい時は成行注文
成行注文は、価格を指定せずに現時点の市場レートですぐに売買したいときに使う注文方法です。
成行注文は、提示されている売買レートは参考レートになるため、瞬間的に為替レートが大きく動いた時など、約定レートが提示レートと若干ずれる場合もあります。
いわゆるスリッページです。
なお、注文方法はFX業者によって呼び方などが異なる場合があります。
レートを指定したい時は指値注文と逆指値注文
指値注文と逆指値注文は、あらかじめ約定レートを指定して出す注文です。
利食いの注文を指値注文、損切りの注文を逆指値注文といいます。
指値注文は現在の為替レートよりも上がれば売り、下がれば買いというように、自分にとって有利な価格を指定します。
例えば、現在のドル円が85円50銭の時に、84円50銭で買いたい(86円で売りたい)ときに出します。
反対に、逆指値注文は下がったら売り、上がったら買いという一見すれば不利な方向にレートを指定する注文方法です。
本来、逆指値注文は自分の思惑と反対に為替が動いた時など、一定の価格でロスカットをして損失を限定するための注文方法です。
例えば、ドル円で85円のときに86円まで上がったら買いたい(84円まで下がったら売りたい)という場合に出します。
IFD注文
IFD注文とは、新規注文と決済注文の2つをセットで出して、「もし1つ目の注文が成立したら2つ目の注文を執行しなさい」という注文方法。
例えば、ドル円が84円の時に新規で83円の買い指値、86円で利食いの売り指値というように出します。
思惑と反対に動いた時のために決済注文を逆指値注文出して、損切りに備えることもできます。
OCO注文
OCO(One Cancel the Orderの略)注文は、一方の注文が約定すれば自動的にもう一方の注文がキャンセルされるという注文方法です。
すでにポジションを持っているときに決済注文に指値注文と逆指値注文を同時に出すことで、利食いと損切りの両方に備えることができます。
例えば、84円で買ったドル円の買いポジションがある場合、86円で利食いの売り指値注文、83円で損切りの売り逆指値というように出します。
どちらかが先に約定すれば、もう一方はキャンセルされます。
OCO注文は決済だけでなく、新規に買い売りどちらかのポジションを建てるときにも利用できます。
IFDO注文
IFDO注文はIFD注文とOCO注文をあわせた注文方法で、IFO注文ともいいます。
IFDO注文は、新規の注文が約定したらIFD注文、決済注文は指値か逆指値注文の両方を同時にだすことができます。
例えば、ドル円が85円のときに84円の新規の買い指値注文(86円で利食いの売り指値、83円で損切りの損切りの売り注文)を出しています。
新規注文が約定した後、決済注文のどちらか一方が約定すれば、残りの注文が自動的にキャンセルされるという便利な注文方法です。
ロスカットできないならFXはやめとけ
FXで大切なことは、取引を始める時点であらかじめロスカットレベルを決めて、損失が膨らんで強制ロスカットにかかる前に確実にロスカットするということです。
相場は何が起こるかわかりません。
FXではポジションを立てた時点で為替変動リスクにさらされます。
ポジションを持った途端、為替レートが思惑と反対に動いて損失がでることはよくあること。
思惑と違う方向に動いたら、迷わず損切りします。
- 少し待っていれば戻るだろう
- これだけ下がったら、そろそろ戻るだろう
という思い込みは禁物です。
含み損がでているポジションを決済して損失を確定させるのを心理的に避けたい意識はすごく分かります。
ただ、その気持ちにしたがうとズルズルと損切りを引き伸ばして、あっという間に損失を拡大させてしまうのが最も大きい負けパターンの一つなのです。
FXでの破滅を避けるためには、一度決めた損切りルールは厳格に守ることです。
ポジションメイクの時にあらかじめチャートから損切りと利食いレベルを決めておき、ロスカット注文を出しておきます。
ロスカットがつきそうだからといって、あらかじめ決めた損切りのレートを遠く変更したりしてはいけません。
小さく負けているだけなら、後からいくらでも取り返せる可能性があります。
特にパソコンから離れるときには、必ずロスカット注文は忘れないでください。
強制ロスカットは損失を限定するもの
ほとんどのFX業者では強制ロスカット方式を採用しています。
強制ロスカット方式とは損失が膨らんで、証拠金が一定の基準(業者により異なりますが、資金の維持率が125%を切るなど)を下回ると、持っているすべてのポジションが反対売買されて強制的に決済される機能です。
この機能は預けた証拠金以上の損失がでることを防ぐことを目的としており、追加証拠金を迫られるリスクはかなり軽減されるでしょう。
FX業者によって強制ロスカットとなる基準は違いますが、証拠金維持率が20~30%を下回ると発動される業者が多いです。
また、強制ロスカットの前に証拠金維持率が一定ラインを下回るとマージンコールが送られてくる業者もあります。
もし、ポジションを持ち続けたいのであれば、証拠金を追加するかポジションを一部決済して持ち高を縮小することで証拠金維持率を上げると強制ロスカットを遠ざけることができます。
万が一、ロスカットの逆指値注文を入れ忘れたりしたときなど、強制ロスカット方式があれば損失は証拠金の範囲内に限定されます。
ただ、強制ロスカットは最後の砦であって、原則的ロスカットレベルは自分で決めましょう。
FXで借金地獄になる理由
FXには基本、ロスカットシステムがあるので、預けた証拠金はどんなにレートが変動しても多少の資金は残せます。
しかし、相場は有事が起きて急騰・急落すると業者のコンピューターはついて行けず、本来ロスカットされる位置をレートが過ぎても無視されてしまい、相場が落ち着いてからロスカットされる事もあります。
この時に損失が業者に預けていた資金額を超えてしまい、業者が清算できない状態が起きます。
「追証」というシステムで、業者への借金になります。
それからもう一つ、追証発生の原因には、急騰・急落時にロングポジションとショートポジションのスプレッドの開きがあります。
これも業者により異なりますが、通常1pipsのスプレッドが有事の際に、「200pips」にも広がるなど多々あります。
日本国内業者の最大の欠点は、追証の存在です。
急騰・急落は私たちが寝ている明け方に発生するケースが多いです。
「朝起きたら追証が発生していて、数百万の借金が出来ていた」などの現実が起きています。
海外業者は基本、「追証」は発生いたしません。
ゼロカットシステムと言いまして、証拠金の金額を大きく下回って負債が発生しましても、負債はすぐにゼロになります。
業者が負債分を負担してくれるため、預けた資金よりも損をする事はありません。