資産運用を行うことで大事なことは「ダマサれない」「詐欺にあわない」こと。
「自分だけは大丈夫」と思っている人ほど引っかかるので、過信しすぎないようにしましょう。
今のような情報化社会では、「うまい話のウラに何かあるのか」を見極める眼力も必要です。
概要対象者:投資詐欺を回避したいすべての個人投資家
- 有名な投資詐欺の手口一覧
- 最近問題になった投資事件
- 投資詐欺の回避方法
有名な投資詐欺の手口
投資詐欺は、結果として損してしまったというようなものではなく、最初からあなたからお金をダマしとることを目的にしているものを指します。
有名なものをいくつか紹介していきましょう。
投資詐欺の代表格「ポンジ・スキーム」
出資金詐欺とは、出資金を配当に回す自転車操業のような投資詐欺のことです。
出資してもらった資金を運用して、利益を出資者に還元するという名目で資金を集めます。
実際には資金運用を行わずに、後から参加した出資者から集めた資金を元から参加していた出資者に配当金だとウソをついて渡します。
まるで本当に資金運用が行われて、利益が生まれているかのように見せかけるので出資者は安心して追加の投資をしますが、出資者が集まらなくなれば配当金を渡せなくなり破産します。
後から参加した出資者ほど損害は大きくなり、
実際には
- 通常の投資ではありえない高い利回り
- 最低投資額が少ない
- 毎月・毎年、定期的に配当される
- 紹介者にメリットがある仕組み
- 元本保証
- 期間限定
- ここだけの話
「ネズミ講」とも呼ばれる有名な投資詐欺の方法なので、注意しましょう
高利回りファンド
高利回りファンドは、架空の投資信託を作成し、高利回りを謳って投資家からお金を集める投資詐欺です。
魅力的な金融商品で指定の口座への振り込みを促しますが、入金したら、連絡がとれなくなったり、ファンドが解散していたりします。
- 資産運用のプロが運用するので絶対に損をしない
- 投資のプロが資産を増やしてくれるので安心
- 資金が倍になる
地面師詐欺
地面師詐欺とは、土地の持ち主になりすまして代金をダマしとる投資詐欺。
詐欺師は一人でなく、複数の人間がグループで行うことから不動産登記のプロである司法書士でも見破るのが難しいのが特徴。
買主がお金を詐欺師に渡してしてから、数日後に法務局で書類偽造が発覚し登記申請が却下されることで初めてダマサれたことに気がつきます。
完璧に回避する方法は無いものの、売り手の本人確認を専門家と一緒に徹底して行いましょう。
2017年に積水ハウスですら詐欺にあって数十億円規模の詐欺にあったということで話題になりました。
- 他にも交渉中の買主がいる
- 不動産の売主に事情があって取引を急いでいる
海外不動産投資詐欺
中南米や東南アジアなどの新興国の不動産への投資をオススメして、指定の口座への振り込みを促す投資詐欺。
入金後、連絡がとれなくなったり、利回りが最悪な物件だったりするということが発生します。
不動産以外にもエネルギー開発やインフラ整備で同じような投資詐欺が発生しています。
新興国は法律の整備が整っておらず、投資詐欺が多くあります。
- アジアの不動産は年利30%以上は硬い。
- 今後、経済発展をするので間違いなく地価が上がるから買わないのは損
土地カンや相場観がない物件は買わないようにしましょう。
詐欺コイン
詐欺コインとは、存在しない仮想通貨や資金を集めるための目的で作られた仮想通貨を売る投資詐欺。
- これから需要が増加する仮想通貨を今から買えば、資産が倍になる
- 限られた人に業界専門家が作った仮想通貨を先行販売
投資コンサルタント詐欺
投資コンサルタント詐欺とは、自称投資のプロがもうかる情報提供や資産運用を行ってくれるとと顧問契約を結ばせようとする投資詐欺。
値上がりする銘柄の情報をくれたり、資産運用をしてくれることをエサに顧問契約を求めるが、顧問料を支払った途端に連絡ができなくなったり、アドバイスどおりに投資しても利益がでないということがあります。
- 元本保証
- 期間限定
- ここだけの話
最近の投資関連事件
近年、不適切な運用をおこなっていたことで問題としてニュースに取り上げられた事件もあります。
証券会社の担当者や銀行の窓口で紹介されているから安心と思っていたりはしませんか?
金融商品の売り手はあくまでもセールスのプロであって、資産運用のプロではありません。
したがって、手数料の多い有利な商品を紹介してしまいがちなのは、構造上どうしょうもないことです。
世の中には販売業者が大きな利益をあげるために個人投資家が損をしやすいというケースが多くあるので、知っておきましょう。
毎月分配型投資信託
毎月分配型投資信託とは、毎月定められた日に決算が行われて、その度に投資家が分配金を受け取ることができると金融商品
お小遣いや年金の足しにしたいという人の間で話題となりました。
ただ、投資信託も必ず運用で利益がでることはありまえません。
損失が発生した場合には投資信託にあつまったお金を切り崩していることになります。
投資した資金がそのまま返却されているだけという面で問題になりました。
投資信託不適切販売
2019年9月、ゆうちょ銀行や郵便局で投資信託の説明手続きを省いて紹介していたという事件です。
高齢者への投資信託をオススメするときには、本来十分に説明しないといけないのですが、預金と全く同じというような説明を受けるなど十分な理解ができないまま、投資信託の契約をさせられていました。
社内ノルマ重視であったことが原因ではないかと推測されていますが、約2万件ほどの被害があったにもかかわらずゆうちょ銀行や郵便局では1年で調査を打ち切り、「ルールを軽んじて面倒だから手続きを省いてしまった」のが原因と公表しています。
数字とか目標と呼びかたを変えた売上ノルマは今でもあり、実態は変わっていないんだとか。
ゆうちょ銀行と日本郵便は13日、高齢者(70歳以上)への投資信託販売で社内規定違反が1万9591件あり、職員850人が関わったと発表した。不適切な販売の実態を調べるため、投信を買った全高齢者22万人…
サブリース問題
不動産管理会社が、賃貸アパート・マンションを満室家賃の80~90%で一棟まるごとかりあげて、入世社に転貸して家賃を回収するという仕組みの金融商品。
オーナーの手間は一切不要で安心して家賃収入が手に入るとしていました。
しかし、次のような理由で入居者が埋まらないことが多発したことで話題になった事件です。
- ニーズを無視した、アパートの供給過剰
- 相場と合わない家賃設定
結果として、家賃を大幅に見直さざるをえなくなり、見込み収入とかけ離れた金額となって大きな赤字を抱える投資家が続出しました。
不動産不正融資
銀行が改ざんされた融資資料を黙認して融資したという事件です。
投資家の支払い能力を超えた金額を資産状況に関するプロフィールシートを改ざんし融資をしていたというニュースがありました。
FXの自動売買ソフト
FXの自動売買ソフトとは、ソフトウェアを購入させてロボットがアルゴリズムに基づいて売買するというもの。
資産運用の自称プロがアルゴリズムを作成するものの、多くの場合で実施に利用すると利益が出ないというこことで問題となりました。
投資詐欺を回避するには?
投資詐欺を回避するには、警戒を怠らずに金融商品の売り手の情報を盲信しないことです。
投資詐欺は用意周到に準備されているので、パッと見だと信頼性が高く見えるという部分があります。
なぜ美味しい情報を自分がやるのではなく教えてくれるのか、売り手の立場にたって考えましょう。
判断が難しいものは他の金融商品と比較したり、偏りすぎない中立的な情報を知ることで、判断力をつけてください。
本記事のような投資詐欺の種類を知っているだけで知識があなたを多少は守ってくれます。
人間の記憶は忘れやすいので、定期的にこの記事を見返すことをオススメします。