相場の格言は、長い年月の間に渡って語り継がれてきた経験則。

投資では、心理的要因も大きく入ってくることは誰もが知っていますよね。

そういったことから歴史を経て培われてきた有名な格言は、未だに活用ができるものが多いです。

ここでは、ウォール街や英語の相場格言をまとめました。

投資の心構えを説いた相場の格言

卵を割らずにオムレツは作れない

リスクをおわなければ、報酬は得られないという格言

反対のような格言に『卵は一つのカゴに盛るな』というウォール街の格言がありますが、初期のお金がどれだけあるかによって選ぶべき格言が変わります。

ある程度、資金があって年2%程度のローリスクの利回りがいいのであれば分散投資をするのがいいですし、逆にリスクは大きくてもいいから稼ぎたいと思っている人は相場について学んで投機をしたほうがいいでしょう。

どちらにしろ本質は同じで、ローリスク・ローリターンかハイリスク・ハイリターンのどちらをとるかということなので、自分の投資戦略に合わせて格言を選びましょう。

類似の投資格言
安全第一では利殖家にはなれない
ウォール街の格言
冒険をしなければ、何も得られない

ーウォール街の格言

危ない橋も一度は渡れ
戦わざる者は勝たず
無から有は生まれない
枝先に行かねば熟柿は食えぬ
Diversification is a protection against ignorance. It makes very little sense for those who know what they’re doing.
分散投資は無知を保護する手段だ。投資を理解している人にとって、分散投資は理にかなっていない

−バフェット

人の行く裏に道あり 花の山

他人とは反対のことをしたほうが、うまくいく場合が多いことを説いている格言です。

初心者の投資家は往々にして、「周りが買っているから自分も買う」「バブル崩壊とTwitterで騒がれているから早く売らなければ」と周りに合わせて行動することが多いです。

もちろん、美人投票である以上は周りに合わせるべきではないの?と思うかもしれませんが、重要なのは周りよりも先に行うということ

人気になるであろう銘柄を買うべきなのであって、人気になった銘柄を買うのは遅すぎです。

大体の場合において周りがさわぎ始めるときは、プロの投資家が仕込み終えたタイミングで得られるものはありません。

大勢があまりにも一方に偏りすぎたときは、この格言を思い出しましょう。

類似の投資格言
友なき方へ行くべし
相場師は孤独を愛す
リッチマンになりたければ”孤独”に耐えろ

ーウォール街の格言

人が売るときに買い、人が買うときに売れ
高いときには最上に、安いときには最低に見えるものだ

万人の気弱きときは米上がるべきの理なり。諸人気強きときは米下がるべきの種なり。

−『三猿金泉秘録』

十人が十人片寄るときは決して(必ず)その裏くるものなり。

−『宗久翁秘録』

大衆は常に間違っている
大衆は狼狽する
真の投資家は将来を予知し、それが起こる前に行動する
強気相場は、悲観の中に生まれ、懐疑の中に育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく

勝たんと打つべからず、負けじと打つべし

稼ぐことを最大の目標にするのではなく、生き残ることを最大目標としてトレードをしようという格言。

孫子兵法などでも同じようなことが説かれており、天才軍師といわれた諸葛孔明なども重視していたのは負けないということ。

負けさえしなければ、様々な経験をえることができ、そのうち大相場に出くわしたタイミングで勝つことができるでしょう。

類似の投資格言
戦いて勝は易く、守りて勝ちは難し

商人に系図なし

投資やトレードでは、生まれ、学歴、身分、年齢差はない平等な世界であるということを示した格言

資金力によって打つべき手はことなりますが、完全に実力主義で成り上がったり、落ちぶれたりするのがトレードです。

相場に頼れるものが自分である以上、研究し努力を積むことで勝てるトレーダーを目指しましょう。

類似の投資格言
Success in investing doesn’t correlate with I.Q. once you’re above the level of 25. Once you have ordinary intelligence, what you need is the temperament to control the urges that get other people into trouble in investing.
25以上のIQがあれば投資での成功は頭の良さとは何ら関係ない。それなりの頭があれば、投資で必要なのは多くの投資家を失敗に陥れる衝動をコントロールできる気質だ。

−バフェット

一夜成金一夜乞食
相場に神様仏様なし
月曜日に目一杯の株を買い、火曜日に大成金の仲間入り、水曜日に大邸宅を買い求め、木曜日に自動車を走らせて意気高ぶり、金曜日に芝居見物華やかに、土曜日に救貧院のご厄介

当たり屋につけ

ミラートレードしましょうという格言

当たり屋とは?

ある一定の期間に渡って、相場で利益を上げ続けている人を指す。

当たり屋の人たちは基本的に相場をしっかりと研究しているので、その後ろに追従すれば最低限の利益が取れるということになります。

ただ、ここで注意したいのは当たり屋につくのであれば、決してハイレバをやってはいけないこと。

資本力・期間が違うので、思惑が同じでも損切りする可能性があります。

類似の投資格言
当たり屋に提灯
曲がり屋に向かえ

遠くのものは避けよ

よく知らないものに投資するのはやめましょうという格言

日本の上場株は約4,000ほどあり、仮想通貨やFXなど様々な投資商品があるにも関わらず、その中からわざわざよく分からないものに投資する必要はありません。

自分がよく知っているものであれば、予期せぬ日常から相場の動きにつながる可能性もあります。

投資をするのであれば、身近にあるものを選びましょう。

類似の投資格言
虫の好かぬ株は買うな

命金に手をつけるな

投資は絶対に余裕資金でやりましょうという格言

思惑が外れて困るような資金を投入すると客観的な判断ができなくなります。

生活費、老後の資金、マイホームのための頭金で投資するのは絶対にやめましょう。

余裕資金がある場合にのみ、投資を始めるのが最適といえるでしょう。

類似の投資格言
備えあれば迷いなし
株式と結婚するな
文殊でも備えの立たぬ商いは、高下の変あれば破るる
相場の上手な人は、常にキャッシュポジションを多めに持っている
相場のカネとタコの糸は出し切るな
資力相応に仕掛けるべし
売り買いはいくさの備えも同じこと、米商いの軍兵は金。

ー『三猿金泉秘録』

商い仕掛けたるとき、まず損銀をつもるべし。後悔を先へ慎むべし。

ー『八木虎之巻』

商い致す節、何程の金高に売買致すべきと分限に応じ相定め申すべきことなり。

ー『宗久翁秘録』

勝つことのみ知りて負くることを知らざれば、害その身に至る

投資で負けたことがないということは危険であるという投資の格言

ビギナーズラックで勝ち続けていると、損したタイミングでどのような対応をすればいいのか分からずに大きく損するというもの。

なので、最初に投資するときは損をするものと思ってトレードをしましょう。

できるだけ失っても痛くない金額で学習費用と思って投資をして、相場にふれてみることが勝てるトレーダーになる早道です。

類似の投資格言
最初の損は最良の損 目先観で投資するな

相場のつかみ方に関する相場の格言

相場は相場に聞け

自分の主観やニュースなどよりも、相場に従うようにしましょうという格言。

ある種、テクニカル分析の金字塔になる格言ともいえますが、相場の価格は買い手と売り手で決まります。

ニュースなどで一時的に上がったり下がったりすることがありますが、相場は既にそういったニュースをあやふやな段階を予想して値動きをしているもの。

ニュースなどでいい材料がでたからといって買うのでは、既に遅いです。

自分の主観であがるかもと思うよりかは、相場(チャート)に合わせてトレードするのが最良であるといえるでしょう。

類似の投資格言
相場について他人と討論するべからず
需給はすべての材料に優先する
相場に王道なし
意地を張らずに相場を張れ
一割、二割は世の変動、三割以上は人の変動
財界の見通しより相場の足取り
材料はあとから出る
知ったら終い

天井三日、底百日

相場の典型的な動きとして、ゆっくりと上昇して天井になったと思った途端に一気に下がり、次の上昇を始めるまで長い期間に渡って横ばいを続ける傾向があることを一言で表した格言

相場の値動きにおいて、一番あるパターンなので意識しておくとよいでしょう。

この値動きがあることから、買おうかどうか迷っているときに関しては買わなくてもいいですが、売ろうかどうか迷ったときはすぐに売るべきであるという行動が鉄則になります。

ゆっくりと上がるものなので、買うのが多少遅れたとしても色々と判断して確信をもって買うことができますが、下がるときは本当に一瞬で下がるので大損になる可能性があるでしょう。

確立は低めですが暴騰して買えなかったとしても、損失は生まれないので次の機会に活かすことができますよ。

類似の投資格言
天井三日、底三年
買いの迷いは見送り、売りの迷いは即刻売り
上げは別々、下げは一緒
買い遅れるときは唯々買い場を待つべし

陰陽はめぐりめぐりて循環す、陰極まりて陽となるなり

相場というものは上がったり下がったりするものであるという格言

非常にシンプルな内容ですが、初心者は意外と忘れてしまいがち。

相場は残念ながら上がり続けることはないですし、下がりつづけることもありません。

どこかでトレンドの変更を必ず迎えます。

今がトレンドのどの当たりにいるかを意識してトレードをしましょう。

類似の投資格言
上がった相場は自らの重みで落ちる
上がるのは下がる
陰の極に買いの機あり
上がるべき気が尽きれば、おのずから下がるところが天性と知れ
朝の来ない夜はない
上げにつれ買い玉細くすべし
上がる理も、時いたらねば上がるまじ、理をまげて、米に従え
咲いた株から散って、散った株からまた咲く
辰巳(たつみ)天井、午(うま)尻下がり、未(ひつじ)は辛抱、申酉(さるとり)騒ぐ、戌(いぬ)笑い、亥(い)固まる、子(ね)は繁盛、丑(うし)つまずき、寅(とら)千里を走り、卯(う)跳ねる

山深ければ谷深し

ブルは崩壊すると急落することを表している格言

投資をしていると、多くの人が価格が現実から乖離した値動きをつけることに出くわすでしょう。

一度、人気になれば破竹の勢いで価格を更新していきます。

しかし、バブルは長くは続かないもの。

急騰している銘柄ほど、下げも大きくなります。

類似の投資格言
株価はもとの古巣に帰る
行き過ぎもまた相場

大保合いは大相場

相場で価格の動きが無ければ、それはパワーをためているという格言

保合いとは?

値動きがない状態。

だいたいの相場では、上がったり下がったりするのを繰り返すと、段々と値動きが小さくなってきます。

一見、つまらない相場のように見られますが、相場に慣れているほど緊張します。

というのも、この保ち合いが終わった次の動きは、だいたいトレンドになり大きな値動きになることが多いから。

保ち合いときこそ、しっかりとチャートに注目しましょう。

類似の投資格言
保合い放れにつけ
閑散に売りなし
動かざるに至りて大高下のはしたるべし

ー『商家秘録』

トレードのコツに関する相場の格言

売るべし 買うべし 休むべし

ポジり病を戒めた格言

投資の初心者ほど常に売ったり買ったりする人が多いですが、結果的に損をしがち。

というのも、投資で利益をあげれば「天才かも、もっと稼ごう」という驕りがうまれ、逆に損失を抱えれば「悔しい、取り返そう」という焦りが生まれて客観的に相場が見れなくなるから。

基本的に一回のトレードが終わったら、しばらく休むのが定石

一歩引いて市場の環境や相場の動向、ニュースなどをゆっくり眺めまわす余裕をもちましょう。

類似の投資格言
損して休むは上の上
相場は明日もある
売り買いを、せけばせくほど損をする。とんと休んで手をかえてみよ。

−『三猿金泉秘録』

気の落ちつかぬときの商いは、十度が十度ながら損なりと察すべし。

−『相庭高下伝

常に相場にいなければならないと考える者は、決して金儲けできない

ーウォール街の格言

売り買いは3日待て

ーウォール街の格言

疑わしいときは何もするな

ーウォール街の格言

株を買うより時を買え

投資対象の選択よりも投資する時期を選ぶことが大事であるということを示した格言

優良株などでも、適切なタイミングで買わないと損につながることもあります。

大事なのは割安のタイミングで買うということ、これに尽きるでしょう。

だからこそ、テクニカル分析が重要となります。

類似の投資格言
漁師は潮を見る。
商いは急がず、時を待て
麦わら帽は冬買え
時のいたるに、小みちにのみ心がくれば大功をとげがたし。時のいたらざるに、大だくみにかかれば仕損じること多し。

−『売買出世車』

アタマとシッポはくれてやれ

買うときも売るときも最高値や最安値でトレードせずに、余裕を少しもって行ったほうがいいという投資の格言

投資家の心理としては最安値で買って、最高値で売りたいと思うもの。

しかし、実際には底値で買って、天井で売ることは、ほぼ不可能で、有名なトレーダーでもできている人は存在しません。

とはいえ、天井や底の値段が100発100中でピッタリと当てることはできない以上、適度なタイミング

類似の投資格言
売り買いは腹八分
ぬれ手にアワはつかめない
Bulls make money. Bears make money. Hogs get slaughtered ブル(牛、買い方)もベア(熊、売り方)も儲けられるが、ホッグ(豚、欲張り)は儲けられない。

ーウォール街の格言

バラを切るごとく売るべし
商いは買い手がいるうちにやれ
利食い千人力
吊人、天井売らず底買わず
わが思うところまで利分引きつけ取るべしと思うとも、七八分にて仕舞うべし。

−『商家秘録』

見切り千両

損切りができるようにしましょうという格言

自分が予想していた方向と逆のポジションに動いてしまったときほど、つらいときはありませんよね。

例えば、買った株が予想に反して値下がりした場合、居ても立っても居られない気持ちになり売るべきかどうか迷う人がほとんど。

結論からいうと、このようなときは迷わずに売りましょ

人は一貫性の原理から最後まで同じ行動をとろうとしますが、相場でこの心理に従うと大やけどする結果に。

株価は下がり続ける一方で、とんでもない安値で投げ売りする羽目になります。

多少は損するのは間違いありませんが、大損が避けることができるため千両の価値があるという格言です。

とはいえ、格言を信じて売った途端、予想どおりの動きをしたらどうするんだ!というように後悔したくないのが一般的な考えでしょう。

重要なのは、ポジションを持つ前に損切りラインを設定すること。

損切りラインを設定しても損をする可能性は十分ありますが、いったん見切ったほうが再出動がしやすいですし、多少の損で済みます。

むしろ、損切りラインが誤っていたことをしる学習費用と考えれば、オトクではないでしょうか。

類似の投資格言
損切りは素早く
引かれ玉は投げよ
迷いが出たら売れ
固定概念に縛られる人は、チャンスを失う
賢者は考えを変えるが、愚者は決して変えない
建玉に囚われることなかれ
意地商いは破滅の因
一両にこだわって一〇〇両に泣く
Cut loss and let profit run.
(損は落とせ、さらば利益は大ならん。)

ーウォール街の格言

何の道にも、進むと退くとが肝要なるべし。

ー『売買出世車』

不利運のとき、見切り大切のことなり。思い入れ違うときは早仕舞い、行付をみるべし。

ー『宗久翁秘録』

引かれ腰は弱く、利食い腰は強く。

−『八木龍之巻』

トレードのタイミングに関する格言

「もう」はまだなり、「まだ」はもうなり

自分が立てた「希望的観測」にとらわれるなという格言。

実際に心の中でまだ買うのが早いと思っていたときに相場があがり、逆にもう底だと思って買っていたらまださがってしまったという経験をした人もすくなくないのでは、ないでしょうか?

そもそも知っておきたいこととして、あなたが買ったということは誰かが売っているということで、逆にあなたが売ったということは誰かが買っているということ。

つまり、自分と全く逆の予想をしている人がいる以上、なぜそのような予測をしているのかを考えてから行動をしましょう。

特に考えるべきは、大口がどのような動きをするか。

類似の投資格言
買いたい弱気、売りたい強気
天井売らず、底かわず
押目待ちの押目なし

歴史を経てきた投資の格言を活用して投資をしよう

ここまでウォール街やバフェットの英語の投資の格言や江戸時代の相場師格言などをご紹介しました。

ただ、トレードにおいては次の格言が示すように実践が最重要。

知識は本でも学べるが、勘は実戦で強くなる

勘とは様々な現象を無意識に感じ取る能力ですが、これらは本だけで読み取れるものではなく実際にやってみることが一番です。

とはいえ、投資が怖いという人はまずはデモトレードを実践してみるのがいいでしょう。

次の記事で、トレーディングビューというツールを活用したデモトレードのやり方をご紹介しています。

投資を始めるよりも、まずは練習したいという人はご参考ください。