西洋の原初のチャートであるポイントアンドフィギュアを活用すると、ブレイクアウトを簡単に把握できます。
いつト上がり始めるのか、上がり始めたらどこまであがるのかといった投資家が知りたい情報がわかる相場予測ツールといえるでしょう。
概要対象者:FX・株で勝率をあげたいポイントアンドフィギュアの入門者
- ポイントアンドフィギュアの概要(特徴・メリット・デメリット)
- ポイントアンドフィギュアの見方(パターン)
- ポイントアンドフィギュアの使い方(勝てない理由)
- ポイントアンドフィギュアのオススメアプリ
ポイントアンドフィギュアとは?
指標 | ポイントアンドフィギュア |
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難易度 | 4.0 |
仕組み | 一定以上の値動きがあった場合、上昇であれば○、下落であれば×を記載した非時系列チャート |
用途・手法 |
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設定値 | 10pips |
備考 | 18世紀の株式市場のトレーダーたちが使っていた最初のチャート |
ポイントアンドフィギュアは、時間をムシして○と☓を組み合わせたチャートです。
直訳すると、「点と図形」。名前までシンプル。
×が上昇、○が下落を表しており、上昇する限り同じ列に×を記載しつづけて、逆に下落が続いている場合は○を書き続けます。
なお、○か×をつけるのは一定以上の値動きをした場合のみなので、時間が経過しても値動きがなければ新しい足は描かれません。
ポイントアンドフィギュアは値動きだけを記録し、時間は考慮しないチャートなのです。
参考:ポイントアンドフィギュアの歴史
ポイントアンドフィギュアは様々な名前で呼ばれてきました。ポイントアンドフィギュアとバーチャートの違い
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ポイントアンドフィギュアのメリットとデメリット
ポイントアンドフィギュアのメリット
- トレンドシグナルが分かりやすい。
- 柔軟性が高く、長期トレードと短期トレード両方に対応している。
- ひげのだましを避け、エントリーが待てる。
- 冷静になる時間を持てる。
ポイントアンドフィギュアのメリット1
トレンドシグナルが明確
ポイントアンドフィギュアの最大のメリットは、トレンドシグナルを見分けるのがはっきりとしていて、カンタンにトレンドを判断できること。
チャートをみるだけでもみ合い相場が壊れる瞬間がわかります。
○と×は必ず交互につけていくことになるのですが、×や○の列が前回の限界を超えるときにはブレイクアウトが起こっていることを表します。
パターン認識が分かりやすくエントリールールが明確に判断できるため、FXトレード初心者にもオススメなチャートでしょう。
ポイントアンドフィギュアのメリット2
あらゆる期間のトレードに向いている
ポイントアンドフィギュアのもう一つのメリットは、柔軟性が非常に高いこと。
どこまでの価格変化を一つの○や×の枠のサイズにするかによって、見た目が大きく変化します。
見た目が変わることで、短期トレードにも長期トレードどちらにも対応できるのです。
ポイントアンドフィギュアのメリット3
FXに勝てないポジポジ病を解消
また、エントリーが待てるようになるのもポイントアンドフィギュアのメリットでしょう。
トレーダーの敗因の9割以上はポジポジ病と言われていますが、ポイントアンドフィギュアはポジポジ病に対して効果的!
ポイント・アンド・フィギュアはローソク足における実体の部分しか見ません。
ダマシがない分、非常にきれいにチャートパターンが描かれます。
結果的に焦ることなくルール通りにエントリーするだけなので「待てるトレード」ができるのです。
ローソク足は、価格変動をグラフ化した際に用いられるテクニカル分析の一つであり、江戸時代に米相場の先行きを読む手法として日本で考えられたテクニカル分析手法。 ローソク足を用いた分析は、テクニカル分析の基本となる指標の一つで …
ポイントアンドフィギュアのメリット4
強制的に勝てない原因を探る時間ができる
負けたあとに冷静になる時間を確保できるというのもメリットといえるでしょう。
ポイントアンドフィギュアではエントリーできるタイミングが、一時間足なら1日24回、日足なら1日1回。
勝てないときほど連続エントリーしがちですが、エントリーできる時間帯が決まっているので自然と振り返りをしたうえでトレードすることができます。
ポイントアンドフィギュアは勝てないFX初心者に向いているチャートといえるでしょう。
ポイントアンドフィギュアのメリット5
あらかじめ目標決済価格を計算できる
ポイントアンドフィギュアは、買ったあとどこまであがるかや売った後にどこまで下がるかという目標となる価格を簡単に計算できるのがメリットといえるでしょう。
目標値を持っているトレーダーと持っていないトレーダーでは運用成績に差が生まれてくるでしょう。
しかも、小学生の算数レベルの知識で簡単に計算できるのです。
ポイントアンドフィギュアのデメリット
まず思いつくポイントアンドフィギュアのデメリットといえば、とっつきにくいという点です。
○と×のチャートで相場分析をどうするのか意味が分からない人が大半ではないでしょうか?
そもそも海外発祥であるポイントアンドフィギュアは、残念ながら日本語によるわかりやすい解説書は多くありません。(なので、当サイトの解説をご参考ください。)
ポイントアンドフィギュアは慣れたとしても、もう一つの難関があります。
最大の難点でもありますが、ポイントアンドフィギュアのチャートを描くのに手間がかかりすぎること。
ツールなどを使わない伝統的な、ポイントアンドフィギュアの利用者は、方眼用紙に手書きをしたり、エクセルで終値を書き込んでポイント・アンド・フィギュアチャートを作成したりします。
毎日、継続するというマメな作業が必要なので非常に大変。
手間がかかることから、最初のチャートでありながら廃れていってしまったのです。
- とっつきにくく初心者向けでない。
- 毎日継続してチャートを作成する必要があって大変。
ポイントアンドフィギュアの見方
ポイントアンドフィギュアには、大きく分けて3つの見方があります。
パターン分析、トレンド分析、水平カウント分析です。
ポイントアンドフィギュアのパターン分析
ポイントアンドフィギュアのパターン分析では3つの列を利用します。
ポイントアンドフィギュアの買いシグナル一覧
単純買いシグナル
1列目☓列よりも3列目の×列のほうが上に来ている場合は、上へのブレイクアウトが起きていることがわかります。
ペナント
相場が持ち合いになると三角ペナントを形成しますが、三角ペナントを上に抜ければ買いです。
ポイントアンドフィギュアの売りシグナル一覧
単純売りシグナル
1列目○列よりも3列目の○列のほうが下に来ている場合は、下へのブレイクアウトが起きているシグナルになります。
ペナント
相場が持ち合いになると三角ペナントを形成しますが、三角ペナントを下に抜ければ買いです。
トレンド分析
ポイントアンドフィギュアでは、45度線を使ってトレンド分析が行われます。
下落相場から上昇に転じているときは、最安値から45度線を上に引き、価格が45度線の上にある間は強気相場であるとします。
逆に上昇相場から下落に転じたときは、最高値から45度線を下にひき、45度線の下にいる間は弱気であるという分析になります。
水平カウント分析
水平カウント分析は、持ち合いをしていた長さをもとに目標値を算出するのに使われる分析です。
ポイントアンドフィギュアでは、ヘッドアンドショルダーなど他のパターンの目標値の算出と異なり、持ち合いをしていた長さをもとに目標値の算出ができます。
もみ合いしている期間が長ければ長いほどブレイクアウトの動きが激しくなるとうのは、相場を経験している人なら実感があるかもしれません。
ポイント・アンド・フィギュアではもみ合いパターンの横幅となる枠数をもとに目標値を算出します。
具体的な算出方法ですが、ポイントアンドフィギュアでは揉み合いの中央付近、つまり、最も多くの×と○が記入されている水平ラインを基準として、パターンの列数分の上下に移動した価格が目標値となります。
例えば、20個の列があるもみ合いパターンが出現した場合、基準線から20個の×が続く天井かか、○が続く底かを目標値にするというわけです。
意外とシンプルですよね。
ポイントアンドフィギュアでFXや株の勝率をあげる活用方法は?
ポイントアンドフィギュアでは出来高に関しては、時間軸でなく価格軸での量がシンプルにあらわれています。
出来高ごとの価格で取引が最も活発であったかわかるポイント・アンド・フィギュアは重要な支持線や抵抗線を判別するのに役に立つでしょう。
反対に、ポイントアンドフィギュアのチャートではすべての価格変化を記録するので、出来高の増減はチャート上に記録された価格変化の量のなかに反映されています。
出来高は支持線と抵抗線の信頼度を見極めるうえで重要な要素なので、どの価格帯で取引が最も活発であったかが分かるポイント・アンド・フィギュア・チャートは、重要な支持線や抵抗線を判断するのに役立つんです。
ブレイクアウトも簡単にわかるのでポイントアンドフィギュアの優位性とは、トレンドシグナルを認識するのに明瞭かつ簡単なんです。
更にポイントアンドフィギュアは柔軟性も高く、目的にあわせて見方を変えることができます。
まず、枠のサイズを変更すればシグナルの数が変化します。
枠のサイズを大きくすればするほど、ブレイクアウトする回数が減り、よりダマシをへらすことが可能となります。
その代わりに、売買チャンス自体は減るので、トレードしたいスパンに応じて変更する必要があります。
更に反転基準を変えることでブレイクアウトが変えることができるのです。
短期トレード:反転とみなす枠数→減らす&枠の大きさ→小さくする
長期トレード:反転とみなす枠数→増やす&枠の大きさ→大きくする
ポイントアンドフィギュアで勝てない理由とは?
ポイントアンドフィギュアはシンプルでありながら奥が深く、マスターするまでなかなか勝てない手法。
初心者がポイントアンドフィギュアをそのまま利用すると、意外とエントリーに見えるポイントが多くダマシにあってしまうのが勝てない理由です。
ポイントアンドフィギュアを使い始めのときに勝率を維持するには、時系列チャートと組み合わせるのがオススメ。
例えば、ローソク足チャートと組み合わせて、両方でサインが出ているタイミングがベストエントリーポイントといえるでしょう。
さらにはDMIやRSIとくみあわせて、勝率をあげていくことが考えられるでしょう。
ポイントアンドフィギュアのチャートを無料活用するには?
Excelで無料のポイントアンドフィギュアを利用する
完全無料でポイントアンドフィギュアを使いたいということであれば、マクロを使うのがいいでしょう。
条件が厳しめで動作させる環境を整えるのが大変ですが、フリーソフトをご紹介します。
作者 | 為替王子さん |
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動作OS | Windows 10/8/7/Vista/XP |
環境 | IE・MicroSoftのExcel2007以降がインストールされていること インターネットにつながっていること |
リンク | ポイント&フィギュアチャート自動作成マクロ(Vector) |
Tradingviewでポイントアンドフィギュアを利用する
ポイントアンドフィギュアは時間軸を無視してプライスの変化だけを描いたチャートで特にブレイクからトレンドが出る局面に強いです。
ポイントアンドフィギュアにはツールが必要不可欠ですが、中でも一番使いやすいのはTradingViewです。
TradingViewでポイントアンドフィギュアを使うことで、手作業で価格を調べて描く手間がなくなるので、最大のデメリットを感じることなく利用できます。
- トレードスタイルに合わせたポイントアンドフィギュアの枠のサイズ設定も自由に変更できる!
- よく利用されるトレンドラインはもちろん、一目均衡表や各種オシレーターなど他のインジケーターも併用できる!
- 時間足でのポイントアンドフィギュアチャートも見れる!
なお、TradingViewでポイントアンドフィギュアを利用するにはPRO+プラン以上が必要。
PRO+はPROプランよりも一つ上位のプランになりますが、トレードでの負ける金額と比較すると、ちょっとした投資にすぎませんよね。
ポイント・アンド・フィギュアを使いこなせるかどうか分からないという人向けに30日間の無料トライアルもできるので、まずは試してみることをオススメです。