ウィリアムズ%Rは、反応速度が早くトレンド転換をとらえる優秀なインジケーターRSIやストキャスティクスと似たオシレーター。

アメリカのリアルマネーコンテストで優勝し、自己資金を113倍にした史上最高記録を持つ著名投資家ラリー・ウィリアムズが開発したテクニカル指標です。

この記事では、ウィリアムズ%Rとはどんな指標か、計算式、使い方、ボリンジャーバンドとの違いについて徹底解説していきます。

概要対象者:FX・株でテクニカル分析の入門者

  • ウィリアムズ%Rの概要(ストキャスティクスとの違い・計算式・期間)
  • ウィリアムズ%Rの使い方

FXや株で使われるウィリアムズ%Rとは、どんな指標?

指標 ウィリアムズ%R(Williams Percent Range)
できること 相場の過熱感の把握
難易度 2.0
仕組み 一定期間の最高値を基準とした変動幅を0%~-100%で表示するオシレーター系指標。
買いシグナル -80%以下
売りシグナル -20~0%
オススメ期間 14
補足 RSIよりもダマシが多く、ストキャスティクスと概念が似ている。

ウィリアムズ%Rは、一定期間の値幅において現在の価格が最高値からどれだけ乖離しているかを「0~-100%」の範囲内で表したオシレーター系指標です。

「買われすぎ」や「売られすぎ」を表すストキャスティクスに似たオシレーター系テクニカル指標でレンドがはっきりと出ていない、小刻みに動くレンジ相場時に力を発揮します。

RSI(相対力指数)に似ていますが、RSIよりも上下動が激しく、トレンド転換点を素早く検出することが特徴。

トレンドの転換点を早期に捉えることができますが、誤った信号(ダマシ)が多いという弱点もあります。

ウィリアムズ%Rの計算式

ウィリアムズ%Rの計算式

ウィリアムズ%R = {(14日間の最高値-直近の価格)÷(14日間の最高値-14日間の最安値)}×100

計算式を見るとストキャスティクスの%Kに計算式に似ているなと思う人がいるかもしれません。

ストキャスティクスの%Kの計算式と期間の設定

%K = 直近の価格ー一定期間の安値/一定期間の高値-一定期間の安値×100
※期間:9日が一般的。

ストキャスティクスの%Kは一定期間の値幅の中で最安値からどれだけ乖離しているか?であるのに対し、ウィリアムズ%Rは一定期間の値幅の中で最高値からどれだけ乖離があるかを表していることが分かります。

また、ウィリアムズ%Rの場合、期間が一般的に14日間となるのもちょっとした違いといえるでしょう。

ウィリアムズ%Rの使い方

ウィリアムズ%Rの使い方をシンプルに書くと以下のようになります。

エンベロープのよく言われる使い方
  • -100%~-80%:買いシグナル(売られすぎ)
  • -20~0%:売りシグナル(買われすぎ)

    -20%を超えた後に再度-20%を割ったタイミングで売り、-80%を超えた後に再度-80%を上回ったタイミングで買いが基本です。

    ただ、これだけだと売買シグナルが出まくり、ダマシが多過ぎて実用的ではありません。

    より効果的に使うにはガーベージトップとボトム、ダイバージェンスを活用するのが一般的です。

    ウィリアムズトップのガーベージトップとガーベージボトム

    ウィリアムズ%Rのガーベージトップ、ガーベージボトムは数値が上限・下限で張り付く動きのことです。

    数値が0%近辺を張り付いて推移・もしくは何度かタッチしてから下落する動きを指します。

    ウィリアムズトップのガーベージトップ
    チャートが期間中(14日)の最高値を更新し続けることで、0%近辺を張りついたり、何度かタッチしたりした後に買われ過ぎゾーンである-20%を抜けて急落すること。上昇から下落への反転シグナルとして売りサインになる。
    ウィリアムズトップのガーベージボトム
    チャートが期間中(14日)の最安値を更新し続けることで、-100%近辺を張りついたり、何度かタッチしたりした後に売られ過ぎゾーンである-80%を抜けて反転上昇すること。下落から上昇への反転シグナルとして買いサインになる。

    ウィリアム%Rだけで売買ポイントを判断するならは、ガーベージトップ、ガーベージボトムが発生しているかはチェックしましょう。

    ウィリアムズ%Rのダイバージェンスの活用方法

    他のインジケーターと同じように、ウィリアムズ%Rも相場反転のサインとなる「ダイバージェンス」と呼ばれる逆行現象が起こります。

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    ダイバージェンスとは、チャートの値動きとテクニカル指標の動きが逆の動きをしている状態ですね。

    ダイバージェンスを確認した後にガーベージトップ&ボトムを見てエントリーすることで精度がより向上します。

    もちろん、ダイバージェンスになったから、絶対に反転するわけではないので盲目的に使うのは避けてください。

    あくまでも相場上京を認識したうえで、三尊・逆三尊のような反転チャートパターンが出ているかなど、他のインジケーターを活用して根拠を確認したうえでトレードすることが重要です。

    ウィリアムズ%Rと組み合わせ利用しよう

    ウィリアムズ%Rはかなり敏感に動いてダマシの多いテクニカルですが、短期のトレンド転換に強いです。

    個人的にはストキャスティクスのほうが情報量が多く使い勝手がいいと思っていますが、

    もし利用するなら、移動平均線や上位足によるトレンドラインを併用しながら、使いこなせるよう工夫してみてください。

    エンベロープは、移動平均線を上下にずらしただけの、かなりシンプルなテクニカル指標。

    レンジ相場で活躍するので、他のオシレーター系テクニカル指標とくみあわせるといいでしょう。

    特にトレンド発生を教えてくれるDMIと組み合わせれば、大きな損失が発生する確立を抑えることができるでしょう。