不動産投資を実際行って、賃貸業をやっていくと必ず起こるのが、賃借人の入退去。
退去した後に通常、賃借人の負担(敷金をいただいている場合は敷金から負担)でハウスクリーニングを実施するのですが、今回私の所有している物件の賃貸借契約書には負担について記載がなく、クリーニング費用が大家負担となってしまった経験についてシェアしていきます。
賃貸物件のハウスクリーニング代を負担することに
賃貸物件のハウスクリーニング代を負担する?
事の顛末は、今年の10月末に1室退去の連絡が管理会社から入ったことから始まります。
今年の6月に更新してくださったばかりの方だったので残念でしたが、気持ちを切り替えて入居付けにすぐに動こうと思い、まずハウスクリーニングと現状回復工事の完了日を問い合わせました。
しかし、管理会社からの回答に驚かされることになります。
入居者様へルームクリーニング費用を請求している旨をお伝えさせていただきましたが、いただいている賃貸借契約書に退去時クリーニング費用を賃貸人(貸主)負担とする旨の記載がありました。
恐れ入りますが、入居者様への請求はできかねます。
え?そんな契約書あります?契約書のどの部分が当たりますか?
クリーニング費用について抜粋箇所にマークで囲んだものをお送りいたします。
『1 賃借人の修繕分担表→賃貸人の負担になるもの→専門業者による全体のハウスクリーニング(賃借人が通常の清掃を実施している場合)』
と記載されております。
こうして、ハウスクリーニング費用は私が負担する必要があると判明してしまったのです。
ハウスクリーニング特約を確認しよう
下記のような特約が契約書に入っていないと、私みたいにハウスクリーニング費用を負担することになります。
甲 :オーナー、乙:入居者
本物件の本体に関する主要構造部分の修繕は甲の負担とし、次の各号に掲げる修理又は交換に要する費用は乙の負担とする。ハウスクリーニング、クロス・フローリング張替え、畳・襖張替え。その他、日常に使用することによる消耗に伴う修理費は乙負担とする。玄関鍵を紛失した場合は、玄関錠一式取り替える。
本契約が終了し本物件を明け渡すときは、乙は遅滞なく上記修繕、及び本物件の原状回復並びに清掃などをしなければならない。この原状回復は本物件を賃借前の状態にすることとし甲指定の業者に修繕原状回復、及び清掃を行わせるものとする。但しこの費用は、乙の負担とする。
クリーニング特約が契約書に入っているか、物件を所有しているオーナーさんは一度ご確認ください。
賃貸物件のハウスクリーニングを自分でやる
物件のクリーニング代に5万円発生
さて発生したハウスクリーニング費用は約5万円ということで、今回の賃貸している部屋の家賃1ヶ月分が飛びます。
もったいないと思い、経験もかねて自分でやってみようと決心しました。
まず、退去後の部屋を実際に見にいくと、荷物はキレイに運び出されていましたが、軽く掃除はしたんだろうなという程度。
風呂・トイレ・洗面所・キッチンなどの水回りは汚れていて、入居中1度もしっかりとした掃除はしなかったんだろうなという汚れ具合でした。
清掃1日目は、あらかじめ妻から借りてきた洗剤など(キッチンハイターやサンポールなど)と持参した歯ブラシなどを使って見よう見まねで掃除を始めました。
なんとか排水溝のカビや水アカなどを取り除きをしましたが、これだけで膨大な時間を費やし1日が終了…
賃貸物件のハウスクリーニングを自分でやる
次の日は、掃除に行くまでにあらかじめYouTubeで勉強していきました。
プロのハウスクリーニングの方が家庭用洗剤でできる掃除のやり方などをアップしているので、すごく分かりやすいので自分でやろうと思ってる方にはオススメです。
動画で紹介されていた掃除道具を早速100円ショップとドラッグストアで道具を調達して現場に臨みました。
- お風呂場全体のカビと水アカ落とし
- シンクのサビ落とし
- キッチンの油汚れ落とし
- 洗面所とトイレの水アカや汚れ落とし
- 網戸掃除
やれる限りやったことで一日が終わる頃には、絶望していた汚れに対しても、だいぶ強気に取り組めるようになってました。
すごいのはプロのレベルの方でも100円ショップなどで使ってる道具を多用しているので、マネをすれば自分でもプロに近いレベルの掃除(多少時間はかかりますが)ができてしまうことです。
最後の3日目は、残り部分の窓掃除や床掃除など全面的に掃除をして仕上げていきました。
床の汚れも落ちて黒ずみがなくなって、部屋も明るく感じるくらいになりました。
ハウスクリーニングを自分でやった結果
ありがたいことに1日目の清掃が終わった後、内見に来てくれたお子様連れのご家族に入居申込をいただき無事に空室期間1ヶ月で次の入居者が決まる事になりました。
気になる費用の面は、元々管理会社から提示されていた現状回復費用は、クリーニング費用込みで約17万円でした。
この内、私が自分でクリーニングをしたので、5万円が浮きました。
そして、別途に入居者に請求がかかっていた、消臭費用・キッチンのコゲ落としなど約4万円分の補修も私がやるかわりに、他の網戸張り替えやお風呂場のコーキング、エアコン掃除など別の工事に充ててもらうことにしました。
管理会社の担当の個人的なつながりのある業者へ安く頼むことができたので、ありがたかったです。
最終的に、工事費用が約4万円まで抑えることに成功します。
- ハウスクリーニング代(5万円)
- 消臭費用・キッチンのコゲ落としなど補修費用(約4万円)
- 網戸張り替えやお風呂場のコーキング、エアコン掃除など用(約4万円)
=約13万円の費用軽減
家賃3ヶ月弱分に相当する約13万円の費用軽減の効果は大きかったです。
ハウスクリーニング費用負担する事件から得られたこと
今回の入退居に関わるちょっとした事件から得られたことが2つあります。
賃貸業の収益アップ
1つ目は、自分でできることは労力は惜しまず可能な限りやることで、退居に関わる費用を抑えて、賃貸業の収益アップに繋げることができたということです。
自分でやることでノウハウが溜まっていくので、他の部屋の退居の際に同じようなケースが起きた場合も必ず応用が効くでしょう。
管理会社の言いなりですと、当初の見積もりには不要な工事なども含まれています。
その都度大きな出費になってしまい、なかなか次の投資への費用が貯まっていきません。
やはり、買って終わりの投資ではなく、賃貸業として経営の意識を持って利益アップを狙うことは大切です。
住民の方とのコミュニケーション
2つ目は、住民の方とのコミュニケーションが密に取れるようになったこと。
3日間も掃除をしていると他の部屋にお住まいの住人の方が気になって部屋をのぞきに来て、差し入れを持ってきてくださったことなどありました。
その方は今年80歳になるおばあちゃんで、私がよく掃除に来ているので良く思ってくださってた様子で色々話してくれました。
偶然にも以前、東京の墨田区にお住まいとのことで、私の事務所も墨田区で共通点もあり盛り上がって1時間くらい話してました。
その時に、他のお部屋の入居者の方の様子など、管理会社さんでは把握できないような貴重な情報も教えていただけて、私としてはありがたい時間になりました。
以前から定期的に物件の掃除に行ったりしていたので、顔を合わせたりなどありましたが、今回のことをきっかけにかなり距離が縮まった感覚があります。
オーナーが愛着を持って手入れしている物件と分かると入居している方もより長く住んでいたくなるもので、高い入居率を維持するのにプラスと言われています。
元々はマイナスな出来事がおきてしまったのは事実ですが、そこを積極的に自分から動くことでプラスに転換できたのではないかと思います。
「チャンスはピンチの顔してやってくる」と言いますが、皆さんの中でもピンチに直面した際はぜひ怯まず積極的に立ち向かってもらえたら、必ずチャンスに変えれると思いますので、チャレンジしてみてください。