不動産投資といっても、どのようなスタンスで取り組み、どれくらいの期間で利益を見込んでいるかなど、人によって難易度も変わっていきます。

不動産投資で長期的に利益を上げ続けている方もいれば、反対に利益どころか損を抱えたまま物件を所有している方もいます。

概要対象者:不動産投資を始めようか検討をしている人

  • 不動産投資の短所(売却益キャピタルゲイン狙いは無理ゲー)
  • 不動産投資をやめたいと後悔する末路になるパターン(3つのリスク)
  • 不動産投資の大変さ
  • 不動産投資に向いている人・向いていない人

不動産投資はどうなの?

不動産投資を始めようか悩んでいる人は「不動産投資ってどうなの?」と不安に思うでしょうが、人によって難易度が変わるので一概にいえません。

不動産投資で売却益キャピタルゲイン狙いは無理ゲーになりがち

不動産投資の利益
  • 家賃収入(インカムゲイン)
  • 売却益(キャピタルゲイン)

家賃収入は良くも悪くも安定している収入です。

A

物件のオーナーは不景気だからといって家賃を半額にする人はいませんし、逆に好景気だからといって、いきなり家賃を2倍に上げることもできませんよね。

家賃収入に対して売却益キャピタルゲインを狙うには、数年後に不動産価格が急上昇するような物件を購入しなければなりません。

急上昇するかどうかは大きな景気の動きによりますが、悪いインパクトを与える可能性もあり、最悪の場合は破産にまで追い込まれてしまいます。

経済状況 東京23区の公示価格
1986年 バブル景気 166万2771円/㎡
1991年 346万0053円/㎡
1994年 バブル崩壊 175万4436円/㎡

実際に東京都の不動産価格はバブル景気があった1986年から1991年にかけて約2倍に上がったものの、バブル崩壊によって1994年には175万4436円/㎡と半分の価格まで下がっています。

その後は2008年にリーマンショックがあったり、近年では2020年にコロナショックがありました。

コロナにより、リモートワークが広まって郊外に移住する人は増えて、都心の不動産価格に影響しています。

池田社長

都内の不動産価値は今後も下がり続けるという専門家もいれば、都心にまた需要は戻るという専門家もいて、どうなるか確実なことは誰にも分かりません。

A

キャピタルゲイン狙いの方は投資よりも投機ギャンブルに近い無理ゲーになってしまうわけですね。

不動産投資はベースはインカムゲインでしっかり利益の取れる物件を購入することが大切でしょう。

不動産投資の短所は短期的には儲からないこと

キャピタルゲインを狙っている人ほど、不動産投資は短期的にもうかると思っている人が多い傾向です。

不動産投資で短期的にもうけるには、株やFXのように安く買って高く売るしかありません。

しかし、将来的にどのエリアの不動産価値が上がって、高値で売却できるかを見抜く目が必要です。

将来の価値を見抜くなんて、プロの不動産屋でもなかなかできることではありません。

池田社長

将来の価値を100%見抜けるのであれば、プロの不動産屋がなぜ自分でやらないのかと思いますよね。

仮に高値で売却できたとしても、購入してから5年以内は短期譲渡に該当して、短期譲渡所得税が39%もかかります。

せっかく利益がでても、大部分が税金として取られてしまいます。

ですので、不動産投資は長期運用して利益を出していく投資として、長期目線で収支をしっかりシミュレーションして購入していくべきです。

不動産投資やめたいと後悔する末路をたどらないための注意点

長期目線で見た際に不動産リスクを正しく把握していないと、不動産投資をやめたいと後悔する末路をたどるかもしれません。

不動産投資で後悔する末路をたどらないための注意点

不動産投資で後悔する末路をたどらないための注意点として、3つのリスクを挙げて対策について説明していきます。

不動産投資の注意点
  • 空室リスク
  • 家賃下落リスク
  • 金利上昇リスク

空室率が高くなり、ローンが払えずに後悔するはめに

不動産投資で後悔する末路になる注意点としては、空室リスクが代表的でしょう。

新築で購入した物件は特に策を講じなくても入居者を見つけるのは楽ですが、一度でも退去の方が出ると中古物件の仲間入り。

築年数が経てば経つほど物件の競争力は落ちますので、空室期間が長くなる傾向にあります。

購入当初の入居率がずっと続くような試算をしていると、いずれ収支が赤字になって「やめたい」と後悔することになりかねません。

空室リスクは、物件を所有している地域的な要素が大きく影響します。

たとえば、茨城県日立市では、日立製作所の工場が多数立っていましたが、2020年その本丸である日立工場が撤退すると工場に勤める社員がいなくなり、人口減少に拍車がかかってしまいました。

池田社長

「人口減少にともない、空室が目立つようになっている」と日立市を拠点とする投資家は話していました。

一方で、東京都江東区のように人口増加が著しく20年間で40%UPしている地域もあるわけです。

正直、どの地域が5年後、10年後も人口が増え続けているかなど予測するのは無理でしょう。

対策としては、入居者募集を一つの企業や大学などに依存しているような物件は購入を避け、いろいろな属性の方が生活しているエリアの物件がオススメです。

実際には、購入予定物件の最寄駅の駅前不動産屋さんなどに、「この物件はどのような入居者層が入っていますか?」など聞いてみるといいでしょう。

家賃下落が起きて、ローンが払えずに後悔するはめに

もう一つの、不動産投資で後悔しないために気をつけるべき注意点が、家賃下落リスクです。

通常、物件購入する際に収支のシミュレーションをしますが、都心で年0.5%ほど、都心以外の地域で年1%ほどで家賃下落率を設定して、年数が経っても収支が黒字を維持できるか試算します。

新築時から何もせずにそのままにしておくと、入退去がくりかえされる度に家賃の下落を招き、当初の試算よりも大きく下落してしまう可能性があります。

定期的に部屋のリフォームをしたり、外壁塗装をして外観をキレイにしたりメンテナンスをすることで物件の価値を高め、家賃の維持につながります。

時間がある方は、ご自身でDIYできるかもしれませんが、多くの方は所有物件が増えれば時間的にすべての物件をメンテナンスすることは厳しくなります。

時間がない多くの人にとって大事なのが、管理会社との連携です。

入居づけに積極的な管理会社は、物件のリフォームやメンテナンスにどんどんアドバイスしてくれますので、意見を求めていきましょう。

ただ工事など全て丸投げすると費用が高くなりますので、ご自身で近隣のリフォーム業者など見積もりをとるなど優良な業者とのおつきあいを増やしていくことも大切になります。

管理会社の選ぶ基準ですが、まず第一に入居付けに積極的な会社を選ぶようにしてください。

もし、消極的でノウハウも少なく空室が埋まらない場合は、管理会社を変える選択も必要になってきます。

金利が上がって返済が厳しくなって後悔する末路に

不動産投資で後悔する末路を徹底的に回避するのであれば、金利上昇リスクも把握しておきましょう。

現在の日本では、いまだに超低金利時代が続いています。

住宅ローンの金利も1%を下回ってますし、不動産投資用のローン金利も抑えられています。

ローンを組むなら金利が低い方が利息の支払額が抑えられ、手元にキャッシュフローが残せて有利になります。

不動産投資をするなら、今の低金利の時代に固定金利でローンを組んで不動産を購入した方がオトクでしょう。

しかし、金融機関によっては固定金利でローンを組めないこともありますし、今後金利が上昇する可能性は大いにあります。

不動産屋が出してくる物件購入の試算表にも低金利で計算された収支計算がのってますが、大抵の場合、金利上昇のリスクは書いておらず、今後30年もずっと今の金利が続く前提で書かれていることが多いです。

現時点でギリギリ黒字化ができているような物件だと、今後金利が上昇することで確実に赤字物件を持ち続ける事になってしまいます。

金利上昇リスクを回避するためには、物件購入前に、金利が今よりも上昇しても黒字が維持できる物件がどうかを試算してください。

池田社長

リスク金利は現在の金利の+4%で設定すると良いでしょう。

そのほかでは、「125%ルール」と「5年ルール」が適用される銀行のローンを使うのもオススメ。

125%ルール
金利が急激に上昇したとしても、毎月の返済額は従来の125%以内に収めるというルール
5年ルール
金利の急な変動があった場合でも、毎月の返済額は5年間変わらないというルール

2つのルールは全ての金融機関で採用されてるわけではないですが、採用している金融機関でローンを組む事でリスクヘッジすることも有効でしょう。

不動産投資は大変で割に合わない?めんどくさいって本当?

不動産投資をされている方で、十分な家賃収入があり、早期リタイアされている方もいれば、賃貸管理にストレスを感じて撤退される方も実際にいらっしゃいます。

不動産投資が割に合わないと思う理由

入退去が多い物件は管理が大変でストレスに

入退去が頻繁に起こっている物件ほど、オーナーがストレスを感じやすい傾向があります。

例えば、入居募集の広告に「◯◯大学まで徒歩◯分」などと書かれている、大学の近くにある大学生向けの1R物件は、入退去が繰り返されます。

大学生はどんなに長くても学部で4年、大学院までいって6年です。

毎年のように退去者が出て、入学までの1〜3月で次の入居者を決めないと4月以降は絶望的な状況になります。

大学近くの1Rの狭小物件は一見利回りも高くて良い物件に見えるのですが、購入した後の賃貸管理で苦労するというお話はよく聞きます。

ですので、間取りや立地的な面でみても比較的長く入居してもらえるような物件を選ぶのがポイントになってきます。

不動産投資は面倒事は全くないと思っているとギャップに

もう一つの点でいうと、不動産投資をどのように捉えているかという前提の違いでしょう。

不動産は買った瞬間からほったらかしでもずっと購入当初の家賃収入が入り続けると錯覚してる人にとって、不動産投資は思っていたのと違うと後悔してしまいます。

賃貸物件は、入退去の度に室内清掃やリフォームを行い、入居者募集の広告を出したりします、

よい管理会社やリフォーム業者の開拓を自分で行う必要があります。

定期的な共用部の清掃なども適切な業者を見つけることも必要です。

不動産の賃貸業を取り組むにあたり、良い取引先を探す経営者としての仕事になってきます。

池田社長

不動産投資は不労所得を得る投資というよりも、経営者として賃貸業に取り組むんだというマインドが大事になり、その意識をしっかり持っている人は成功する確率が高くなっていきます。

不動産投資はやるべきか?

今回ご紹介したような不動産投資に関する色々なリスクをはじめ、不動産に関する書籍がたくさん出回り、ネットを調べれば不動産に関する情報がずらりと出てきます。

ちまたでは、不動産投資に対するポジティブな情報も、ネガティブな情報もたくさん出てます、

面倒事は不動産屋に任せて楽したいなら不動産投資はオススメしない

不動産投資は、家賃収入で不労所得と思って取り組むより、賃貸経営をする経営者になると思って取り組むメンタリティが大事になってきます。

ご自身の事業ですから、本やセミナーなどで情報を取って勉強し、自分なりの物件選定の基準などを持っておくことが必要です。

ある意味、知識武装して不動産屋とつきあうくらいでちょうど良いでしょう。

池田社長

本業の会社員の仕事が忙しすぎて勉強する時間が取れない人や、そもそも勉強するのが面倒くさいなんて人は、不動産屋にとって良いカモになる確率が非常に高いので不動産投資はやめとけといえるでしょう。

また人を信じやすくダマされやすい方も要注意です。

池田社長

たまに毎月の収支が赤字の物件を買ってしまっている人から相談を受けることがあり、「なぜその物件を買ったんですか?」と聞くと、「不動産屋の営業の方がいい人で信じてしまった」などと典型的な回答パターンが帰ってくることがあります。

不動産屋はビジネスで、ボランティアではありません。

不動産の営業マンも毎月のノルマがあり、買ってくれそうなお客様がいたら必死に営業をしていきます。

知識武装している方よりも、不動産の知識が少なく不動産屋の言うことを素直に信じてくれる人の方がはるかに売りやすいわけです。

不動産投資は長期目線で勉強できるならオススメ

リスクや不動産にまつわるトラブルに巻き込まれる方がいるのも事実で、不動産に関連するたくさんの情報がある中で、自分にとって正しい情報を取り入れるのは難しくすぐにできることではないのかもしれません。

しかし、失敗してしまっている方の共通点としては、事前の勉強不足、業者の言うことを信じてしまったなど、防ぐことができたケースがほとんど。

不動産投資に関するノウハウ、成功事例や失敗事例、ノウハウなどは全て出尽くされるとも言われています。これは不動産投資という分野が成熟していることを表していて、しっかり学びさえしていけば成功の確率をご自分の力で高めていけるということなのです。

投資を通してお金を増やす・守るためには、プロの言うことを鵜呑みに聞くだけになったり、業者に丸投げしてしったりしてしまうのは厳禁。

投資をする前にしっかり学び、投資をしてからも経験の中から学ぶのを怠らないでください。

5~10年にわたって学びを続けていけば、投資家としての実力は相当ついてきますので、まずはご自身で取れるリスクの範囲内で投資家としての一歩を踏み出していきましょう。