株やFXなどで価格の押し目を理解するうえで重要となるフィボナッチリトレースメント。
この記事では、トレードするなら必ず知りたいフィボナッチリトレースメントの数値、引き方や使い方、エリオット波動との組み合わせた方法まで、解説していきます。
フィボナッチ・リトレースメントとは?数値を解説
フィボナッチ・リトレースメントとは、フィボナッチ比率でリトレースメント(押し目)を探すのに使われるテクニカル指標のことです。
1と1から始まって隣り合った2つの数字の和をつなげた「1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21…」というフィボナッチ数列において隣り合った数字の比率。
1 + 1 = 2
1 + 2 = 3
2 + 3 = 5
3 + 5 = 8
5 + 8 = 13
8 + 13 = 21
名前は、中世イタリアの数学者であるレオナルド・フィボナッチ氏が発見したことに由来します。
フィボナッチ比率は、物事が一番キレイに見える「黄金比」という名前でも有名でしょう。
花びらの数がフィボナッチ数列の数になることも有名ですよね。
- 0.236(0.382*0.618)
- 0.382(1-0.618)
- 0.618(黄金比)
- 0.786(黄金比の平方根)
ダウ理論のとおり、相場はジグザグに動きますよね。
トレンドが行き過ぎてしまえば、調整するために一時的にトレンドの逆方向に動きます。
フィボナッチリトレースメントでは、高値と低値のフィボナッチ比率から行き過ぎたトレンドがどこまで戻るのかが分かるわけです。
そのため、押し目買いによく利用されます。
フィボナッチ・リトレースメントの発展型
フィボナッチ数はリトレースメント以外にも色々な形で利用されます。
フィボナッチ・エクスパンションとは?
フィボナッチリトレースメントの応用として、フィボナッチエクスパンション(拡張)というテクニカル指標もあります。
その名のとおりトレンドがどれほど追加で伸びるかを把握するのに使える指標です。
- 1.618(1÷0.618)
- 2.618(1+1.618)
- 3.618(2+1.618)
- 4.618(3+1.618)
1(100%)以上の数値がフィボナッチエクスパンションになるのが見て取れるでしょう。
フィボナッチエクスパンションでは、リトレースメントとは逆に利益確定をする際に目標値を予測するのに利用されます。
フィボナッチ・エクステンションとは?
ややこしいことにフィボナッチリトレースメントの応用として、フィボナッチエクステンション(延長)というテクニカル指標もあります。
名前からしてフィボナッチエクスパンション(拡張)と混乱しやすいのですが、それぞれ違う指標になります。
- フィボナッチエクスパンション(拡張):基準に対して、どれだけ追加で伸びたかの相対的な拡張をみる。
- フィボナッチエクステンション(伸長):基準に対して、どれだけの長さのトレンドになるかの絶対値の伸長をみる。
引き方が違い、フィボナッチ・エクスパンションでは調整波が考慮されるため、出てくる結果も異なります。
フィボナッチ・タイムゾーン
フィボナッチ数を相場サイクルの日柄計算に利用したのが、フィボナッチ・タイムゾーン。
タテ(価格)の代わりに横(時間)をフィボナッチ数で分析したものです。
天井を出してから何日目に大底をつけるか、大底の何日後に天井に到達するのかといった、重要な転換日を予測するのにつかわれます。
偶然のようでもありますが、意外とあたることもあるので一つの目安として利用するといいでしょう。
通常のフィボナッチ・リトレースメントと同じですが、ピッタリと当てはまるというよりも近い数字になる可能性が高いでしょう。
フィボナッチ・タイムエクステンション
フィボナッチ・タイムエクステンションは、フィボナッチエクステンションのタイムゾーン・バージョン。
一つの期間のなかに高値通しをくくることで、次の高値・安値の時期に見当をつける手法。
フィボナッチ・ファン
フィボナッチ・ファンは、トレンドの勢いをフィボナッチ数で測る分析手法。
一定の期間の高値・安値にラインを引くことで斜めの線の角度から、押し目がどこにあるかを扇状に3本の線で表します。
基本的にトレンド相場で、トレンド発生時にフィボナッチ・ファンを引くことで、どのラインが将来トレンドラインとなるかを予測するのに活用できます。
リトレースメントやタイムゾーンと比較してトレンドラインなので、価格水準と時間の両方からイメージしやすいというのが大きなメリット。
フィボナッチ・スパイラル
フィボナッチ・スパイラルは、一定の期間の高値・安値からフィボナッチ数から作られるらせんを描く分析ツール。
ただ、あまり活用している人を見たことがないので、信ぴょう性については他のフィボナッチ系と比較して弱めでしょう。
フィボナッチ・アーク
フィボナッチ・アークは、一定の期間の高値・安値をつなぐことで、1点からの距離に注目した分析手法。
フィボナッチ・ファンと同じく、値幅と時間の両軸からの分析できます。
どちらかと言うと、調整がどれくらいのところで反発されやすいかを判断するのに活用できます。
フィボナッチ・ウェッジ
フィボナッチ・ウェッジはフィボナッチ・アークの一部のようなもの。
基本的にはフィボナッチ・アークと同じように利用できるでしょう。
フィボナッチ・リトレースメントの使い方
フィボナッチ比率は一見ただの数字あそびに思えるかもしれませんが、トレーダーがフィボナッチリ比率を注目していることから、多くの相場で効果を発揮します。
数値に近くなると値段が動かなくなる、もしくはトレンドが反発する可能性が高くなるのです。
そのため、フィボナッチリトレースメントは押し目のサポレジラインを予想するのに役に立ちます。
黄色◯で示しているように各フィボナッチラインでトレンドが小さく反発、もしくは停滞していることが分かります。
フィボナッチリトレースメントの引き方
フィボナッチリトレースメントは、チャートツールを活用することで簡単に引くことができます。
今回は、世界中で利用されているトレードツールであるTradingViewを活用して説明しましょう。
- チャート書き込み機能の中でフィボナッチリトレースメントを選択
- 下落トレンドのときは最高値を、上昇トレンドの時は最安値をクリック。
- 下落トレンドのときは最安値を、上昇トレンドの時は最高値をクリック。
たった3ステップでフィボナッチリトレースメントを引くことができました。
フィボナッチリトレースメントの引き方のコツ
フィボナッチリトレースメントを引くときに、よくある疑問がヒゲをどうするかという内容。
傾向としては、ヒゲが長ければ起点として利用するのがオススメです。
長い上ヒゲと下ヒゲのローソク足をそれぞれ始点・終点に引いたフィボナッチは、長期間のサポレジラインとして機能しやすいです。
フィボナッチリトレースメントのオススメツールはTradingView
フィボナッチリトレースメントの引き方で紹介したTradingViewですが、なんと自動でフィボナッチリトレースを引くという機能もあります。
実際の使い方について、下記の動画で解説しているのでご参考ください。
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