一目均衡表は、5本の線から構成される日本生まれの先進的なテクニカル指標。
パッと見で、株やFXの相場水準を読む最先端のテクニカル指標として、世界中から一目均衡表を学ぶために来日するトレーダーがいるぐらい注目を集めています。
概要対象者:FX・株の一目均衡表の入門者
- 一目均衡表の概要
- 一目均衡表の各線の意味・使い方(転換線・基準線・先行スパン1,2・遅行スパン)
- 一目均衡表の本当の使い方(トレンド相場の段階分析、レンジ相場での意味)
一目均衡表とは?わかりやすく解説
指標 | 一目均衡表(Ichimoku) |
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難易度 | 5.0 |
仕組み | 5つの線(4つの半値線とモメンタム)から万能テクニカル分析指標で、相場を立体的に捉えているのが特徴。
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用途・手法 | 短期・中期・長期のマルチタイムフレームでの勢力分析。 |
買いシグナル | 三役好転など |
売りシグナル | 三役逆転など |
設定値(期間) | 9、26、52(基本的に期間は固定推奨) |
発案者 | 一目仙人(本名:細田悟一) |
開発年 | 1935年 |
備考 | 値幅よりも時間経過に重点を置いており、未来にも表示される珍しいインジケーター。 |
一目均衡表とは、短期・中期・長期の3つのマルチタイムフレームの勢力分析に使える万能のインジケーターです。
一目で、均衡がわかることから来ています。
- 買い勢力が強い(強気)⇒価格は上がっていく
- 売り勢力が強い(弱気)⇒価格は下がっていく
「価格の均衡(どっちの勢力が強いかの分岐点)を把握すれば、チャートの値動きがわかる」という考え方から一目均衡表はできています。
均衡が崩れる=強気と弱気の力関係が逆転するポイントに注目して、均衡が崩れたほうに動くトレンドの発生を見極めるために使われます。
一目均衡表は、スパン(遅行、先行1、先行2)と均衡表(転換線、基準線)の5本の線から構成され、先行スパン1と先行スパン2の間を塗りつぶした、抵抗帯(通称:雲)が特徴的。
一目均衡表は単体で、複数のテクニカル指標を組み合わせたセットのインジケーターといえるでしょう。
数多くあるインジケーターの中でも、現在よりも先に線が描かれている珍しいインジケーターで、細田悟一氏(通称:一目仙人)が考案しました。
現在の日経新聞以上に市況に詳しい都新聞(現、東京新聞)の株式アナリスト。
12歳のころから相場をみていたという天才の相場師。
一目均衡表は意味ない?各線をわかりやすく解説
一目均衡表は、非常に奥が深いインジケーター。
十分に理解しないまま、三役好転だから買い、三役逆転だから売りと使うと、ダマシに合う可能性が高くなります。
結果として、一目均衡表は意味ないという誤解につながりかねません。
しっかりと活用するために、一目均衡表は基本的に半値線で構成されていることを理解しておきましょう。
半値とは、一定期間の最高値と最安値の半分(価格変動の中心となる値)のこと。
半値をつなげた半値線は、買い勢力と売り勢力が一致している相場水準(半値戻し・押しのライン)を表しています。
【例】上昇トレンド
- 半値線 < 価格 ⇒ 買い勢力が強く、トレンド継続を予測している人が多くなっている。
- 半値線 = 価格 ⇒ ちょうど買い勢力と売り勢力が一致。
- 半値線 > 価格 ⇒ 売り勢力が強く、トレンド転換を予測している人が多くなっている。
種類 | 判別法 | 意味合い | 計算式 | 使い方 |
転換線 | 価格の一番近くで価格と同じように動く。 | 短期(過去9本分)の半値線。 | (過去9本間の最高値+過去9本間の最安値)÷2 |
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基準線 | 転換線の外側を価格と共に上下しながら動く。 | 中期(過去26本分)の半値線 | (過去26本間の最高値+過去26本間の最安値)÷2 |
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先行スパン1 | 抵抗帯(雲)を作る線のうち、値動きが多い。 | 転換線と基準線の半値を26本分未来にズラした線 | (転換線+基準線)÷2 |
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先行スパン2 | 抵抗帯(雲)を作る線のうち、値動きが少ない。 | 長期(過去52本分)の半値を26本分未来にズラした線 | (過去52本間の最高値+過去52本間の最安値)÷2 |
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遅行スパン | ひとつだけ後ろ側にずれている。 | 現在価格を26本過去にズラした線。 | 現在価格 |
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転換線:一目均衡表における敏感な線
転換線とは、短期(過去9本分)の中心値(半値)をつなげた線。
価格の一番近くを価格と同じように、上下しながら動いています。
転換線の計算式
転換線 = (現在の足を含めた過去9本間の最高値+現在の足を含めた過去9本間の最安値)÷2
過去9本分の半値線なので、短期的な半値戻し、半値押し値のライン(短期勢力の均衡点)となります。
転換線の使い方
転換線は、名前の通りトレンドの転換を教えてくれます。
- 転換線の傾き=短期トレンドの方向
- 転換線と価格=短期トレンドの優勢勢力
一目均衡表のなかでも、転換線は安定したトレンドを教えてくれます。
- 安定した上昇相場⇒転換線の上を沿って上昇
- 安定した下降相場⇒転換線の下を沿って下降
逆に価格が転換線を大きくはなれると、調整(押し・戻し)が発生しやすく、市場の加熱状況を表します。
ボリンジャーバンドでいうバンドウォークみたいなものがわかるんだ。
基準線:一目均衡表における基準
基準線とは、中期(過去26本分)の中心値(半値)をつなげた線。
基本的には、転換線の外側にあります。
基準線の計算式
基準線 = (現在の足を含めた過去26本間の最高値+現在の足を含めた過去26本間の最安値)÷2
転換線よりも期間が長い中期的な半値戻し・押し値のライン(中期勢力の均衡点)となり、一目均衡表を見るときはまず基準線から見ていくとよいでしょう。
基準線の使い方
基準線は、名前の通りトレンドを判断する基準となります。
- 基準線の傾き=現在(中期)のトレンドの方向(トレンド相場かレンジ相場か)
- 基準線と価格=中期トレンドの優勢勢力
一目均衡表のなかでも、基準線は安定したトレンドの押し目を教えてくれるので、一目均衡表で一番大事な線といえるでしょう。
- 安定した上昇相場⇒上昇トレンドの押し目が基準線
- 安定した下降相場⇒下落トレンドの戻しが基準線
また、レンジ相場では基準線が中心としても使えるので、一目均衡表を見るときはまず基準線から確認しましょう。
先行スパン1:一目均衡表における特殊な補助線
先行スパン1は、抵抗帯(雲)を作る線のうちの一つで、基準線と転換線の半値を26本未来にずらした線です。
現在よりも先に描かれている線で、値動きが激しいのが特徴。
先行スパン1の計算式
先行スパン1 = (基準線+転換線)÷2
※描画は現在を含めて26本だけ未来にずらす。
先行スパン1の使い方
先行スパン1は、基本的に次に説明する先行スパン2と比較して使います。
- 短期:転換線(過去9本分の半値線)
- 中期:基準線(過去26本分の半値線)
- 長期:先行スパン2(過去52本分の半値線)
本来は、転換線・基準線と先行スパン2を比較して勢力判断をするのですが、描かれる位置が違うことから比較がしづらいですよね。
そこで短期と中期の半値を先行スパン2と同じように26本だけ未来で描いたこと生まれたのが、先行スパン1になります。
先行スパン1と先行スパン2が交差(雲のねじれ)が発生するときは、長期的なトレンドが転換したことを表します。
ねじれが生じたタイミングでは、値動きが激しくなることも多いので注視してください。
先行スパン2:一目均衡表において未来に描かれる長期的な半値線
先行スパン2は、抵抗帯(雲)を作る線のうちの一つで、長期(過去52本分)の中心値(半値)をつなげた線を26本だけ未来にずらした線。
現在よりも先に描かれている線で、値動きが少ないのが特徴です。
先行スパン2の計算式
転換線 = (現在の足を含めた過去52本間の最高値+現在の足を含めた過去52本間の最安値)÷2
※描画は現在を含めて26本だけ未来にずらす。
長期的な半値戻し・押し値のライン(長期勢力の均衡点)にあたります。
- 上昇トレンド⇒最高値から同じスピード(52本かけて)で下落した場合、26本で半値になる。
- 下落トレンド⇒最安値から同じスピード(52本かけて)で上昇した場合、26本で半値になる。
この予測に基づいて、先行スパン2は26本だけ未来にズラされているわけです。
先行スパン2の使い方
未来にズラされているので、現在の価格と未来の描かれている先行スパン2と比較して、上下の位置関係を判断します。
- 26本後に描かれた先行スパン2<価格⇒上昇の可能性が高い。
- 26本後に描かれた先行スパン2>価格⇒下落の可能性が高い。
先行スパン2を抜けるということは、抵抗帯(雲)を抜けることを意味します。
つまり、三役好転、三役逆転の最終条件をクリアしたことになるわけです。
また、先行スパン2は、最高値から先行スパン2を線で結ぶことで、トレンドの継続性が見て取れます。
- ラインよりも勢いよく反発⇒トレンド転換の可能性がある
- ラインよりも緩やかに反発⇒トレンド継続の可能性がある
天井や底値になったと思われる際には、先行スパン2とラインを引いて判断するといいでしょう。
遅行スパン:一目均衡表で最重要な線
遅行スパンとは、現在の価格を26本前に過去にずらした線で、モメンタムのようなものです。
一目均衡表で唯一、過去に描かれている線なので見分けやすいでしょう。
遅行スパンの計算式
遅行スパン = 現在の価格(終値)
※描画は現在を含めて26本だけ過去にずらす。
なので、26本前の価格と遅行スパンを現在の左側で比較することで、26本前に購入した人が現在どのような損益であるか(遅行スパン – 26本前の価格)がパッと分かります。
- 遅行スパン<26本前の価格 = 26本前に購入した人が儲かっている
- 遅行スパン>26本前の価格 = 26本前に購入した人が損している
遅行スパンの使い方
遅行スパンは単に上下のどちらかにあるだけでなく、価格との差がどれくらい拡大・縮小しているのかも把握しましょう。
なぜなら、遅行スパンと25本移動平均線は同じ役割を果たしているからです。
<9月25日>
5日間移動平均線 = (1日の価格 + 2日の価格+ ・・・ + 25日の価格)÷ 25
<9月26日>
5日間移動平均線 = (2日の価格+ 3日の価格+ ・・・ + 26日の価格)÷ 25
1日の価格の代わりに、26日の価格が追加されているので次の関係になります。
- 1日目の価格<25日の価格 ⇒ 9月26日の平均線<9月26日の平均線
- 1日目の価格>26日の価格 ⇒ 9月25日の平均線>9月26日の平均線
つまり…
(遅行スパン ー 26日前の価格)÷ 25 = 25日移動平均線の傾き
25本移動平均線は、過去25本の価格を平均した価格ですよね。
1本経過した場合、25本前の価格は26本の価格となるために計算から外れ、代わりに1本新しい価格が計算に含まれます。
- 遅行スパン<26日前の価格 ⇒25日移動平均線の上昇
- 遅行スパン>26日前の価格⇒25日移動平均線の下落
だからこそ、遅行スパンと26本前の価格差が非常に重要になるのです。
一目均衡表のなかで遅行スパンが最も大事だという人もいるぐらい重要な役割をもつんだ。
一目均衡表の設定
一目均衡表のパラメーターの設定は、他のテクニカル指標と違って原則変えてはいけません。
- 転換線
- 9本
- 基準線
- 26本
- 遅行スパン
- 26本
- 先行スパン1
- 26本
- 先行スパン2
- 52本
一目均衡表の計算式のときにも述べていますが、9・26・52を使ってください。
一目均衡表の抵抗帯(雲)の手法
一目均衡表において先行スパン1と先行スパン2の間を塗りつぶした領域を「抵抗帯」といい、雲と呼ばれたりします。
※原著では、雲のことを抵抗帯と記載されているので、読者の皆さんがわかりやすいように本記事では「抵抗帯(雲)」と記載していきます。
一目均衡表の使い方について知らなくても、「雲」ぐらいは聞いたことがある人は少なくないでしょう。
抵抗帯(雲)の手法として、「抵抗帯(雲)の間にある間は持ち合いになり、雲抜けすると価格が大きく動く」ぐらいの理解をしている人がほとんどですが、その理由について知らない人がほとんど。
名前が一人歩きした結果、不十分な理解のまま一目均衡表が使えないとなっている状態なのです。
ただ、抵抗帯(雲)の原理も半値線で解決します。
先行スパン1は転換線(9日)と基準線(26日)の間を短中期の半値線を未来に描画したもので、先行スパン2は52日の長期の半値線を未来に描画したものなので、先行スパン1のほうが値動きに敏感に反応します。
そのため、トレンド相場では価格は先行スパン1に先にぶつかります。
先行スパン1も先行スパン2もサポレジラインになるので、抵抗帯(雲)で言われる以下の減少が発生するのです。
- 価格が雲に近づくと跳ね返りやすい。特に雲が分厚いと跳ね返りやすく、薄いと突き抜けやすい。
- トレンドが強ければ強いほど先行スパン1と先行スパン2の間が離れるので、雲が熱くなっている。逆にトレンドが弱くなれば先行スパン1と先行スパン2の間が近くなるので、雲が薄くなる。先行スパン1がサポレジラインとなっているので、トレンドがまだ強ければ反発しやすい。
- 価格が雲の中にはいるともみ合いになりやすい
- 先行スパン1を突破したため、短中期的にはトレンドが転換しているが、先行スパン2は最終防衛ラインのたる長期目線の人たちが必死にトレンド転換に抵抗してせめぎ合っている状態。
- 価格が雲抜けすると、大きく値動きする
- 先行スパン2での最終防衛ラインを突破され、短中長期の人たちがそろってトレンド転換の目線に切り替わったため、大きく価格が動く。
「雲のねじれ」もおなじように半値線を理解すれば、シンプルです。
「雲のねじれ」は、言い換えれば先行スパン1と先行スパン2がクロスしたということなので、短中期の半値線と長期の半値線の上下が入れ替わったということで、トレンド転換を示唆します。
- 先行スパン1が先行スパン2を上抜け(ゴールデンクロス)=下降トレンド→上昇トレンド
- 先行スパン1が先行スパン2を下抜け(デットクロス)=上昇トレンド→下降トレンド
ただ、注意してほしいのは、先行スパンはそれぞれ未来に描かれるので、「雲のねじれ」が起きた日がトレントの転換を指し示しています。
雲のねじれが描かれている日は特に意味がないので注意してください。
一目均衡表の本当の使い方
トレンド相場における一目均衡表の使い方
一目均衡表の使い方は、短期(転換線)・長期(先行スパン1)のトレンドと均衡点(売買勢力)の推移を見ながら、中期トレンド(基準線)にそって売買していくことにあります。
一目均衡表におけるトレンドの判断
一目均衡表の線は、半値線なのですべてが支持線・抵抗線となります。
さらに、価格の押し・戻しと各線の位置関係からトレンドの勢いが判断できます。
- 上昇トレンド
- 半値線(相場水準)が切り上がる状態
- 下降トレンド
- 半値線(相場水準)が切り下がる状態
- もみ合い
- 半値線(相場水準)が長期間変わらない状態
- 転換線で反発=転換線がサポートライン=非常に強いトレンド
- 基準線で反発=基準線がサポートライン=安定したトレンド
- 先行スパン1で反発=先行スパン1がサポートライン=トレンドの弱まり
- 先行スパン2で反発=先行スパン2がサポートライン=トレンドの終盤
したがって、基準線の反発でエントリーするというような使い方もできるでしょう。
また、5つの線の並び順からトレンドの強弱を判断できます。
安定上昇トレンドの並び順
- 遅行スパン
- 転換線
- 基準線
- 先行スパン1
- 先行スパン2
安定上昇期間の並び順
- 遅行スパン
- 転換線
- 基準線
- 先行スパン1
- 先行スパン2
トレンド変化のあらわれになる、一目均衡表の線の交差はそれぞれ意味を持ちます。
意味 | 下降トレンドの完成 | 下降トレンドの戻し | 下降トレンドの弱まり | 均衡表の好転 | 価格が雲に突入 | 雲のねじれ | 三役好転 | 転換線が雲抜け | 基準線が雲抜け | 上昇トレンドの完成 | 上昇トレンドの押し目 | 上昇トレンドの弱まり | 均衡表の逆転 | 価格が雲に突入 | 雲のねじれ | 三役逆転 | 転換線が雲下抜け | 基準線が雲下抜け | 下落トレンドの完成 | |
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順番 |
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トレンド | 下降 | 転換 | 上昇 | 転換 | 下落 | |||||||||||||||
短期勢力 | 売り優勢 | 買い優勢 | 買い優勢 | 買い優勢 | 買い優勢 | 買い優勢 | 買い優勢 | 買い優勢 | 買い優勢 | 買い優勢 | 売り優勢 | 売り優勢 | 売り優勢 | 売り優勢 | 売り優勢 | 売り優勢 | 売り優勢 | 売り優勢 | 売り優勢 | |
中期勢力 | 売り優勢 | 売り優勢 | 買い優勢 | 買い優勢 | 買い優勢 | 買い優勢 | 買い優勢 | 買い優勢 | 買い優勢 | 買い優勢 | 買い優勢 | 売り優勢 | 売り優勢 | 売り優勢 | 売り優勢 | 売り優勢 | 売り優勢 | 売り優勢 | 売り優勢 | |
長期勢力 | 売り優勢 | 売り優勢 | 売り優勢 | 売り優勢 | 売り優勢 | 売り優勢 | 売り優勢 | 買い優勢 | 買い優勢 | 買い優勢 | 買い優勢 | 買い優勢 | 買い優勢 | 買い優勢 | 買い優勢 | 売り優勢 | 売り優勢 | 売り優勢 | 売り優勢 |
基本的は下落トレンド⇒上昇トレンド⇒下落トレンドになるときは表の左から右へと順番に移るのですが、不安定であればあるほどズレが発生します。(一番右に行ったら一番左にもどってください。)
特にもみ合いや反発が発生するほど、順番が前後して、ダマシが発生しやすくなるので注意してください。
一目均衡表の買いシグナル
トレンド相場における一目均衡表の代表的な買いシグナルは3つ。
- 均衡表の好転
- 遅行スパンの好転
- 三役好転
レンジ相場のときには、意味がないので注意しましょう。
均衡表の好転
一目均衡表の基本的な買いシグナルは、転換線が基準線を上抜ける均衡表(転換線、基準線)の好転になります。
均衡表=売り買いの均衡がわかりやすく表示したもので、トレンドのターニングポイントとして判断されます。
移動平均線におけるゴールデンクロスに近いイメージ。
実際に安定相場であれば、10日移動平均線と25日移動平均線のゴールデンクロスとほぼ同じタイミングで出現します。
ただし、均衡表の好転は出現が早いぶん、ダマシが頻繁に起こることを注意しましょう。
- 底値から数本経過している。
- 数本で上昇が継続している。
- 新高値をつけていること。
- 窓を開けている上昇が発生していること。
- 好転後、数本以内に基準線が上昇している。
- 好転後、価格が基準線を下回らない。
なお、次に紹介している遅行スパンの好転が数本以内になければ、ダマシの可能性が高いので手仕舞いするのがオススメ。
遅行スパンの好転
遅行スパンが価格を上抜けすることを遅行スパンの好転といい、一目均衡表の買いシグナルとなります。
注意してほしいのは、遅行スパンは26本だけ過去にずらしているので、26本分の過去価格と遅行スパンと比較してください。
つまり、現在よりも左側で遅行スパンがクロスしたタイミングで遅行スパンが好転したと判断します。
遅行スパンが好転すれば、26本過去購入者の損益が損から利益に好転したことになります。
損失が利益になったことで、購入者した買い方はポジションへの自信を高めて買い勢力が強くなることから、上昇力が高まっているという仕組みになります。
なお、遅行スパンが好転するということは、遅行スパンと価格の差が−から+に転じることから、下落していた中期移動平均線が上昇に転じたことも表しています。
三役好転
一目均衡表で最も確度の高い買いシグナルが「三役好転」です。
三役という名前の通り、次の3つが順番で好転しているときに成立します。
- 均衡表の好転
- 遅行スパンの好転
- 価格が抵抗帯(雲)を上抜けする。
価格が抵抗帯(雲)を上抜けしても、順番通りに起きていなければ、レンジ相場の可能性が高く三役好転といえないので注意しましょう。
ただし、シグナル発生はかなり遅く、高値づかみになる可能性もあるのでご注意ください。
売りシグナル
逆にトレンド相場における一目均衡表の代表的な売りシグナルも3つ。
- 均衡表の逆転
- 遅行スパンの逆転
- 三役好転
買シグナルと同じようにレンジ相場のときには、意味がありません。
均衡表の逆転
一目均衡表の売りシグナルは、転換線が基準線を下抜ける均衡表(転換線、基準線)の逆転が基本となります。
今度は、移動平均線のデッドクロスに近いイメージ。
均衡表の逆転も出現が早いぶん、ダマシに注意しましょう。
- 天井から数本経過している。
- 数本で下落が継続している。
- 新安値をつけていること。
- 窓を開けている下降が発生していること。
- 逆転後、数日以内に基準線が下降している。
- 逆転後、価格が基準線を上回らない。
遅行スパンの逆転が数本以内になければ、ダマシの可能性があります。
遅行スパンの逆転
遅行スパンが価格を下抜けすることを遅行スパンの逆転といい、一目均衡表の売りシグナルとなります。
同じく、現在よりも左側で遅行スパンがクロスしたタイミングで遅行スパンが逆転したと判断しましょう。
遅行スパンが逆転すれば、26本過去購入者の損益が利益から損失に逆転したといえます。
過去に購入者した買い方は損失が発生したことでポジションへの自信を失い手放そうとすることから、下降力が高まる仕組みになります。
なお、遅行スパンが逆転は、遅行スパンと価格の差が+から−に転じることから、上昇していた中期移動平均線が下落に転じた状態と同じになります。
三役逆転
シグナル発生は遅いものの、一目均衡表で最も確度の売りシグナルが「三役逆転」です。
三役好転と同じように、次の3つが順番で好転しているときに成立します。
- 均衡表の逆転
- 遅行スパンの逆転
- 価格が抵抗帯(雲)を下抜けする。
三役逆転も順番どおりにおきているかに注目しましょう。
レンジ相場における一目均衡表の使い方
半値線でできている一目均衡表は、レンジ相場に強いんです。
ただ、レンジ相場における一目均衡表は全く違う意味合いになり、トレンド相場における使い方は意味がありません。
一目均衡表でのレンジ相場の見つけ方
一目均衡表の基準線が横ばいであれば、レンジ相場である可能性が高くなります。
特に(半値線でない遅行スパンを除き)横ばいが多くなるほど、レンジ相場の確度があがります。
また、レンジ相場が長引けば長引くほど、それぞれの線の間が狭くなり、一本の線のようになります。
逆にレンジ相場で基準線が動いたときは高値か安値を更新したことを意味するので、レンジ相場が終了する可能性が高いと判断できます。
したがって、基準線がステップアップしたら上昇トレンドの発生する可能性が高くなり、基準線がステップダウンしたら下降トレンドの発生する可能性が高くなるとよみとれるでしょう。
レンジ相場における一目均衡表の売り買いライン
レンジ相場であれば、高値と安値の更新があまりされないということから、半値線はレンジ相場の中心となります。
なかでも中期・長期の半値線である基準線と先行スパン2は特にレンジ相場の中心となります。
したがって、トレンドが発生しないかぎりは基準線と先行スパン2から離れているタイミングで売買するのが基本となります。
最強の一角である一目均衡表をTradingViewなどで活用しよう
利用している証券会社やFX業者で一目均衡表が使えるのであれば、是非活用しましょう。
もし、スマホで外出先のスキマ時間で使いたいけれども対応していないということであれば、日本のテクニカル分析の第一人者である小次郎講師も推奨しているツールであるTradingViewを利用して一目均衡表で分析するのがオススメです。
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