新値足は、高値か安値が更新された場合のみにチャート化することで、日々の値動きのなかで、どのポイントで価格に変化が出るかを可視化したものです。
非時系列チャートで、トレンド系インジケーターです。
練行足チャートと同様に、新値足には日本で生まれた非時系列チャートで大局を見るのに優れています。
概要対象者:FX・株のステップアップに新値足を学びたい中級者
- 新値足の概要(特徴・メリット&デメリット)
- 新値足の見方(一段抜き・五嶮)
- 新値足の設定値
新値足とは?
指標 | 新値足(Line break chart) |
---|---|
難易度 | 4.0 |
仕組み | 高値や安値が更新されたときに書き足される非時系列チャート |
用途・手法 |
|
設定値 | 10pips |
備考 | 日本生まれのチャート |
新値足とは、上昇トレンド時に直前の高値を更新したら陽線、下落トレンド時に直前の安値を更新したら陰線を書き足していく時間の概念を持たないチャート。
つまり、日足なら日毎、1分足なら分毎、1時間足なら時間毎に高値・安値を更新しているか確認して、更新していれば書き足されていくチャートになります。
高値や安値が更新されたときに書き足されることから、海外ではLine break chartと呼ばれます。
分類上は非時系列ですが、時間軸が考慮されないというよりも高値・安値を更新しなかった場合の時間をムシというのが正確でしょう。
なお、トレンドの逆方向に値動きをした場合のチャートの書き方が少し特殊で、これによって新値足は分類されます。
- 新値三本足
- 上昇トレンド時に、3本前の安値を更新したら、陰線
- 下落トレンド時に3本前の高値を更新したら陽線
- 新値五本足
- 上昇トレンド時に、5本前の安値を更新したら、陰線
- 下落トレンド時に5本前の高値を更新したら陽線
- 新値十本足
- 上昇トレンド時に、10本前の安値を更新したら、陰線
- 下落トレンド時に10本前の高値を更新したら陽線
したがって、トレンドが継続しているときは次々と新しい足ができるのに対し、トレンドと逆方向に動いたときは新しい足ができるまで時間がかかるという特徴があります。
なお、最も一般的な新値足は「新値三本足」となりますが、短期的な値動きを確認するなら新値三本足、中長期の値動きを見るなら新値五本足を利用しましょう
新値足のメリット
- トレンドの勢いがわかりやすい。
- トレンドの転換が発見しやすい。
- トレンド相場に注力できる。
新値足チャートは、非時系列チャートのなかでもトレンドを見極めるのに特化しています。
パット見、練行足と見た目が似ていますが、練行足はボックスの大きさが同じなのに対して、新値足はボックスの大きさが異なります。
特にトレンドの勢いが強いときほどボックスのサイズが大きくなり、弱いときほどボックスのサイズが小さくなります。
また、トレンドと逆方向に行った際の記入方法が特殊であることから、トレンド転換の発見に優れているのが大きなメリットでしょう。
新値足は、もみ合い相場のときチャートを書き足すことがありません。
チャートの変化がなくなっているときは、もみ合い相場と考えることができてトレンド相場だけに注視することができるのです。
新値足のデメリット
- 低位株といった値動きが少ない市場に不向き。
新値足は、値動きのほとんどない市場に不向きというのが最大のデメリットでしょう。
高値・安値を更新した際に記入されるという特性上、低位株など値動きがすくない市場ではなかなか新しい足が書き足されず、書き足されたとしても利益が取れないということが発生します。
新値足の手法
新値足の見方は、基本的にトレンドの転換点をつかんで、順張りでエントリーする使い方が主流です。
すでに何本分かトレンドが発生しているときに追随するのにはあんまり向いていないチャートなので、注意しましょう。
新値足でトレンドの勢いを把握
新値足では値幅をみることで大まかなトレンドの勢いがみれます。
- 値幅が大きい⇒トレンドが強い
- 値幅が小さい⇒トレンドが弱い
トレンドの終盤になると値幅が小さくなる傾向にあるので、値幅が段々と小さくなったときはトレンドの勢いが弱まり、トレンド転換の可能性を疑いましょう。
新値足の順張りの売買シグナル
新値足の売買シグナルの定石で、明治時代のトレーダーがよく利用していた2つの格言があります。
- 黒い靴に赤い服から首が出たら買い
- 赤い帽子に黒い服から足が出たら売り
それぞれ黒が陰線、赤が陽線。
黒い靴に赤い服から首が出たら買い
下記の順番で新値足が書き足されたら買シグナルであることを表します。
- 小さい陰線(黒い靴)
- 大きい陽線(赤い服)←陽転
- 小さい陽線(首)
大きい陽線で、下落トレンドが終わってトレンド転換が判断でき、さらに小さい陽線が続くことで上昇トレンドの信頼性が高いことから買いだということを意味しています。
赤い帽子に黒い服から足が出たら売り
下記の順番で新値足が書き足されたら売シグナルであることを表します。
- 小さい陽線(赤い帽子)
- 大きい陰線(黒い服)←陰転
- 小さい陰線(足)
大きい陰線で、上昇トレンドが終わったというトレンド転換(陰転)が判断でき、さらに小さい陰線が続くことで下落トレンドの信頼性が高いことから売りだということを意味しています。
新値足の決済は8~10本
新値足での決済ポイントはトレンド転換してから何本目かで決済するのが基本です。
大体10~13本ぐらいのトレンドが続くことが多いとされているので、トレンド発生から8~10本ぐらいのタイミングで決済しておくといいでしょう。
もちろん、市場によって大きく違ってくるので、しっかりと市場の過去データを分析したうえで何本続く傾向にあるのか見極めて、決済ルールを確立していきましょう。
新値足は他のテクニカル指標と組み合わせよう
FXや株などでローソク足をつかってトレンドを見極めるのが苦手な人は、新値足がオススメ。
新値足は時系列情報が削ぎ落とされているので、平均移動線といった時系列が判断できるインジケーターを組み合わせると、なお効果的な分析ができるでしょう。
新値足を使うのであれば、他のテクニカル指標と組み合わせて利用するといいでしょう。
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