RCI(順位相関係数、Rank Correlation Index)とは?使い方やRSIとの違いについて解説

RCIはトレンド転換の初動をつかむのに使われるオシレーター系テクニカル指標です。

スピアマンの相関係数という統計学を相場に活用したテクニカル指標で、世界的に有名なテクニカル指標です。

概要対象者:FX・株でRCIインジケーターの使い方を知りたい入門者

  • RCIとは(定義・計算式・設定値)
  • RCIの使い方
  • RCIとRSIの違い

わかりやすく解説するRCI順位相関係数とは?

RCIのチャート

指標 RCI(順位相関係数、Rank Correlation Index)
難易度 4.0
仕組み 一定期間の価格と時間に順位をつけ、その期間の日数との相関関係を表した指標
用途・手法 価格の上がり始めと下がり始めの予測
買いシグナル -80%以下になったRCIの傾きが下向きから上向きに転じたタイミング
売りシグナル 80%以上になったRCIの傾きが上向きから下向きに転じたタイミング
設定値(期間) 9,26,52
備考 オシレーターの中でも反応が早い

RCI順位相関係数とは、一定期間の値動きにそれぞれ順位をつけて、統計的に時間と価格の相関関係だけに注目することでトレンドが発生したかどうかを判断するオシレーター系指標です。

わかりやすく言えば、時間が経つにつれて、価格が増加or減少する傾向がどれだけあるのかを判断する指標となります。

値動き幅については無視をしているので、急落や急騰相場に弱いという弱点はあるものの、「上がり始め」「下がり始め」の時期とタイミングを捉えるのに使われます。

RCI順位相関係数の計算式をわかりやすく解説

RCI順位相関係数の計算式は、統計学の「スピアマンの相関係数」をFXや株相場に応用したもので、時間と価格が関連性を持っているかどうかを表しています。

RCIの計算式

RCI順位相関係数=〔1-(6×「日付の順位」と「価格の順位」の差を2乗し、合計した数値)÷期間(期間の2乗-1)〕×100

合計 378
日付 終値 日付順位 価格順位 差の二乗
今日 100.0 1 10 9 81
1日前 101.5 2 9 7 49
2日前 101.0 3 8 5 25
3日前 102.0 4 7 3 9
4日前 102.2 5 6 1 25
5日前 103.3 6 4 2 4
6日前 103.0 7 5 2 4
7日前 104.0 8 3 6 36
8日前 105.0 9 2 8 64
9日前 106.0 10 1 9 81

RCIは計算式からわかるように、0を基準として+100~-100の間で推移します。

RCIで相関がある(時間が経つごとにどちらかの方向に動く)という言葉を分かりやすく言い換えると、「トレンドが存在している」という意味ですよね。

RCIの見方
RCI > 0
価格と時間は相関している。(上昇トレンド)
RCI = 0
価格と時間は関係性が全くない。(トレンドが発生していない。レンジ相場)
RCI < 0
価格と時間は相関している。(下降トレンド)

RCIの数字が大きければ大きいほど、相関が強い(=トレンドが強い)ということを表しています。

上昇トレンドが強いほど+100に近づき、下降トレンドが弱いほど-100に近づきます。

RCIの見方としては、0~100%であれば市場が上昇傾向にあり、0~-100%が下落傾向にあるというように見ます。

RCIの期間のオススメ設定値

RCIの期間のオススメ設定値は9です。

逆張りで使うのであれば基本的には短期的なポジションがよいといえます。

RCIを3本利用するのであれば、それぞれ短期線を9,中期線を26,長期線を52と設定するのがよいでしょう。

AA

他のインジケーターを勉強したことがある人ならピンとくるかもしれませんが、一目均衡表と実は同じパラメーターになっているんだ。

RCIインジケーターの使い方

RCI順位相関係数は、トレンドがあるかどうかを把握することができますが、-80%以下、+80%以上はさすがに買われすぎだと判断して、逆張りで使われます。

RCI順位相関係数の買いサイン
-80%以下になったRCIの傾きが下向きから上向きに転じたタイミングで買い
RCI順位相関係数の売りサイン
80%以上になったRCIの傾きが上向きから下向きに転じたタイミングで売り

RCIは、他のオシレーター系インジケーターと同様に、レンジ相場で力を発揮します。

ただ、トレンド相場では買われすぎという状況がさらなる買いにつながり、売られすぎの状況がさらなる売りにつながるので、注意しましょう。

トレンド相場でRCIを逆張りで使おうとすると、大きな損失につながりかねません。

RCIRSIの違いは?

一文字違いの似たようなインジケーターとしてRSI相対力指数があります。

同じオシレーター系のインジケーターで市場の過熱状況を分析するのに使われますが、中身は全くの別物です。

RCIは時間軸を考慮しているためRSIと比較して、直近の価格変動に敏感。

買いや売りのサインが頻繁に出てくるという特徴があるので、比較的短期のトレードを行うのにRCIは適しています。

前提を理解したうえでRCIを活用しよう

RCI順位相関係数は、売買タイミングを把握するのにオシレーター系インジケーターです。

ただ、RCIは小気味よく動くので以外とダマしを含むこともあります。

他のオシレーター系指標と組み合わせて利用するようにしましょう。