
トレードをしている時に、銘柄を買ったら値段が下がったり、下落していると思って売ったら値段が上がったりした経験は、初心者トレーダーならしたことがあるはずです。
プロのトレーダーは高値づかみを防ぐために様々な対策をしていますが、そのうちの一つがエリオット波動。
エリオット波動を活用すれば、今の価格がトレンドの始まりか、それともトレンドの終わりかを冷静に分析できるようになります。つまり、エリオット波動は相場における現在地を把握するためのGPSなのです。
この記事では、エリオット波動が使えないFX入門者向けに基本的な説明からカウント方法、フィボナッチとの組み合わせまで説明します。
FXでよく聞くエリオット波動論とは?
FX入門!エリオット波動理論の概要
エリオット波動理論とは、トレンドは5つの押し上げる動きと3つの調整する動きから成り立つというルールを理論化したものです。
エリオット波動を活用することで、現在相場がトレンドが始まりor終わりにあるのかを分析することができます。
エリオット波動の背景にある考え方として、相場はジグザグに動くということ。
株やFXトレードをしている人ならご存知でしょうが、価格って上がったり下がったりしていますよね。
「なにを当たり前のことを」と思うかもしれません。
一見、当たり前として知っていることでも実際にトレードをしているうちに忘れてしまうことが多々あります。(多くのトレーダーが勝てない原因がこれです。)
「上昇トレンドが発生していて便乗して買ったら、値段が下がった。」
「値段が下がったから早いタイミングで損切りしたら、今度は値段が上がった。」
トレンドに便乗したはずなのに実際の相場では自分がFXトレードしている間だけ逆の方向に動いたという経験はありませんか?
思い当たる節がある方は、トレンドの終盤にトレードしてしまったのが要因です。
ここまでの説明で、人によってはダウ理論と似ているとピンとくるかもしれません。
まさしく、そのとおり!ダウ理論を発展させた理論がエリオット波動なのです。
そのため、間違われやすいのですが、エリオット波動自体は株式市場がメインに当てはまるパターン。
エリオット波動研究所が出版した有名な書籍である『エリオット波動研究』でも、次のように述べられています。
エリオット波動は株価指数(市場全体の動きを示すように算出された指数)の値動きを観察・研究することで導かれた理論ですから、基本的には株価指数に対して当てはまるものです。しかし、為替や商品などの値動きにもエリオット波動はある程度当てはまると考えられます。
株でなく、FXや仮想通貨トレードで活用しようと思っている人は、使えない場合があることを念頭にいれて学んでくださいね。
エリオット波動理論とは?本当に使えない?
エリオット波動は、大きく分けてトレンド方向に動く推進波、トレンドと反対方向に動く調整波(修正波)の2つのトレンドで構成されます。
相場=推進波(トレンド方向)+調整波(逆トレンド方向)
つまり、トレンドを推し進める推進波(インパルス)と勢いだけで実態に伴っていないためにトレンドと逆の動きをする調整波(ABC)の2つによって相場は値動きしています。
よく日経新聞で、「調整に入っている」というような文言を見かけますが、相場が調整波に当たると言い換えることができます。
更に細かく分けると推進波は5つの波、調整波は3つの波で構成されることが多いです。
推進波:推進波①→調整波②→推進波③→調整波④→推進波⑤
調整波:調整波A→推進波B→調整波C
推進波と調整波に含まれる推進波①、調整波②、調整波A、推進波B・・・と要素②の波は、更に小さな推進波と調整波に分けることができます。
エリオット波動を活用するにあたり、推進波と調整波を数えることが一番重要な(そして難しい)ポイントになります。
エリオット推進波の3ルール
中でもエリオット推進波には、3つの基準があります。
ルール壱:調整波②は推進波①の始まりに重ならない。
ルール弐:推進波③がメインの波。多くの場合で最も長く、少なくとも一番短い波にはならない。
ルール参:調整波④は推進波①と重ならない。
基本ルールを把握しているかどうかでエリオット波動が使える、使えないの分かれ道になるので、しっかりとマスターしましょう。
エリオット波動をカウントする方法
エリオット波動をトレードに活用していくには、実際の値動きや上位足との整合性などを意識するためにもチャートに波動を書き込んでいくという作業が必要になります。
エリオット波動カウント専用ツールはTradingViewがオススメ
エリオット波動をカウントするチャートツールとしては、TradingViewがオススメです。
証券会社のツールでは十分なラベル付けができない場合が多く、後で見返した際にエリオット波動の第何波だったかを把握するのに再度カウントすることがよく起こります。
さらに、エリオット波動を実際に引いた後に値動きに応じて修正しようと思った際に必須である保存機能が不十分な場合も多いです。
MT4でも、描画したものをロックしたり、操作の取り消しができないのは物足りないと思う点でしょう。
一方で、TradingViewであれば、これらのデメリットを解消したうえで5つのエリオット波動カウント専用ツールが備わっていることからもエリオット波動を利用してトレードしたいなら、TradingView一択となるでしょう。
TradingViewについては、詳しくはこちらをご覧ください。
仮想通貨の利益を出しているトレーダーはほとんどが使っているTradingView。海外で話題になっている多機能チャートツールですが、日本ではまだ知名度がありません。 この記事ではTradingViewの他とは違う機能や特 …
TradingViewのエリオット波動カウントツールの種類
エリオット波動描画ツールを使うには、TradingViewのチャート画面で、左側のツールバーの上から6つめのパターンタブをクリックして使いたいものを選ぶだけ。
- エリオットインパルス波動(12345)
- エリオットトライアングル波(ABCDE)
- エリオットトリプルコンボ波動(WXYXZ)
- エリオット波動修正波(ABC)
- エリオット波動複合型(WXY)
基本的には、エリオットインパルス波動(12345)とエリオット波動 修正波(ABC)を使います。
エリオットインパルス波動(12345)は推進波を数える時に使い、エリオット波動 修正波(ABC)は調整波を数える時に使います。
他の3つに関しては、より詳しく数えたいときに利用します。
エリオットトライアングル波(ABCDE)は推進波①、推進波③、推進波⑤と推進波Bの要素を数えるときに。
一方で、エリオット波動複合型(WXY)は調整波②、調整波④と調整波A、調整波Cの要素を数えるときに。
特にエリオットインパルス波動(12345)やエリオット波動 修正波(ABC)を引くのに迷った際には小さく数えてみると引きやすいでしょう。
エリオット波動のカウント方法
カウント方法①:エリオットインパルス波動(12345)を選択
TradingViewのチャート画面を開き、左のツールバーからエリオットインパルス波動(12345)を選択します。
カウント方法②:エリオット推進波の波をクリック
相場の安値と高値を順番にクリックしてカウントしていきます。
エリオット波動1波の見つけ方
エリオット波動では1波が基準となるので一番重要です。
エリオット推進波の3ルールにしたがって、数えていきましょう。
エリオット推進波の3ルールを守らなければ、黄色の枠で囲った場所から3波としてカウントして、「使えない」と思ってしまうことにつながりかねません。
具体的には「ルール壱:調整波②は推進波①の始まりに重ならない。」に違反することになります。
更に「ルール弐:推進波③がメインの波。多くの場合で最も長く、少なくとも一番短い波にはならない。」ことも考慮すると、黄色の枠をクリックするのは原則に反していることが分かります。
フィボナッチ比率を組み合わせたエリオット推進波の見つけ方
エリオット波動論だけでは最初と最後が予想できませんが、実はフィボナッチ比率を組み合わせて使うことで、推進波と調整波の大体の長さが想像できるようになります。
詳しくは次の記事をご参考ください。
株やFXなどで押し目をはかるのに使われるフィボナッチリトレースメント。この記事では、応用としてフィボナッチエクステンションとエクステンション、更にはエリオット波動論との組み合わせ方について解説します。
カウント方法③:エリオット波動 修正波(ABC)を選択
推進波を数え終えた次は、調整波を引きます。
エリオット波動 修正波(ABC)を左のツールバーから選択します
カウント方法④:エリオット調整波を数えていく
最後に調整波をトレンドの流れに合わせて引きます。
これで一つの波が終わり、次の波が始まります。
エリオット波動の使い方
プロのFXトレーダーはエリオット波動論を活用する時、推進波③で利益をとりに行きます。
相場には「頭と尻尾はくれてやれ」という格言があります。
大底(最安値)や天井(最高値)での儲け損ねた利益を必要なコストとすること。
大底買いや、天井売りを狙っていると、結局売買タイミングを逃してしまうことが多い。
底や天井をしっかり把握してトレードするのが勝つ秘訣とする格言。
エリオット波動を活用することで相場の頭(天井)と尻尾(底)を把握することができるので、高値掴みや安値掴みの可能性をギリギリまで下げることができます。
エリオット波動は世界中のトレーダーにとっての基本中の基本、サッカーでいうドリブルのようなものです。エリオット波動に基づいて、トレードする投資家が相場の大多数をしめています。
使えないどころか、大抵のチャートではエリオット波動理論どおりに動きます。
実際に12月のビットコインの価格はエリオット波動の推進波⑤、つまり最後の推進波であったことが下記からわかりますよね。だから、12月にビットコインを買うのは高値づかみの可能性が高かったのです。
ただ実際の相場では、エリオット波動で上手く数えることができないことがあります。
例えば、相場がもみ合いになり、どのような値動きになるかが不明瞭になることが度々あります。
エリオット波動どおりにいかないときは、世界中の投資家が不安になっているか、熱狂しているかのどちらかで、相場が荒れる可能性が高いです。
エリオット波動が機能しないときは相場が荒れていると割り切り一旦トレードをやめて静観しましょう。
さて、皆さんもエリオット波動を実際に活用して、高値掴みや安値掴みから解放されましょう。
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