
トレードで非常に基本となっている移動平均線。トレンドの動きを把握するために活用されますよね。
皆さんは移動平均線の活用方法としてグランビルの8法則やゴールデンクロス・デッドクロスはご存知でしょうか?
この記事では移動平均線の概要、期間、活用方法について詳しく解説していきます。
また、TradingViewでは移動平均線を3本利用するとインジケーターを3枠分消費します。そこで、1枠で3本の移動平均線を表示できるオリジナルインジケーターについても公開していきます。
移動平均線とは?
移動平均線とは、ある期間の平均価格を移動させていった際にできる折れ線グラフのことです。相場が上がるか下がるかを判断するためのインジケーターになります。
ジョセフ・グランビルが1960年代に考案したとされています。
ある期間の終値の合計(1日目の終値+2日目の終値+・・・+25日の終値)/ある期間(25)
1日経つごとに2日目の終値を1日目の終値にずらしていくことで平均が動くという仕組みですね。
移動平均線の種類
開祖であるグランビルは200日を使っていましたが、一般的に移動平均線は平均期間の異なる複数の移動平均線を組み合わせて使うことが多いです。
ただ1つの平均線で判断しようとすると自分に都合よく判断しがちになりますが、複数の線を使うことで、判定を客観視することができるためです。
ただ、多すぎてもわけが分からなくなるので、基本的には短期線、中期線、長期線の3つで分析することがおおいです。
『先物市場のテクニカル分析』(ジョン・マーフィー著)の中で、移動平均線に関する研究結果が載せられています。
長期移動平均のほうが、短期より成果が良い。
分かれ目は40日平均あたりで、60~70日平均が最適な平均日数-『先物市場のテクニカル分析』(ジョン・マーフィー著)
そのため、オススメとしては中期線は75日であるといえます。他の期間は以下が人気です。
短期線:25日
中期線:75日
長期線:200日
短期戦は市場の変化をいち早く反映することができるのですが、その分「ダマシ」も少なくありません。そのため、ノイズの少ない長中期線で十分にマーケットのトレンドを把握しておく必要があります。
ただ、オススメのまま活用すればいいというわけではありません。
下記のように利用する市場ごとに最適な移動平均線は異なります。
どの市場でも常にうまく働くといったような移動平均線は存在しない。言い換えれば各市場ごとに、それぞれ最適な移動平均があるようだ
-『先物市場のテクニカル分析』(ジョン・マーフィー著)
結局のところ、移動平均線の期間は、市場の流動性によって決めるのが良いといえます。
仮想通貨のように市場が若く変動が大きい場合ほど期間を長くするのがおすすめです。期間を長くすることで、ノイズを少なくなるからです。
一方で、東証一部の銘柄ように価格の変動幅が少なく流動性が高い市場に関してはダマシが比較的少ないので、期間を短くして市場のトレンドに掴むやすくするといった工夫ができます。
移動平均線の使い方
グランビルの8法則
移動平均線の原理原則は開祖であるグランビルの提唱したグランビルの8法則です。
- 買い:《買いの第1段》平均線が長期下落or横ばい→上昇
- 買い:《押し目買い》平均線が上昇中の場合
- 買い:《買い乗せ》価格が横ばいになりつつも平均線と交差しないで再び上昇
- 買い:《自律反発の買い》価格が異常に平均線とかけ離れて下落
- 売り:《売りの第1段》平均線が長期的に上昇→横ばいor下落した場合
- 売り:《戻り売り》平均線が下落中&価格が平均線を上回った場合
- 売り:《売り乗せ》平均線が下落中&価格が横ばい→価格が下落
- 売り:《自律反落の売り》価格が異常に平均線とかけ離れて上昇
グランビルの法則は4つの買いパターンと4つの売りパターンからなる非常にシンプルな法則です。
ゴールデンクロス・デットクロス
もう一つ重要な使い方として、複数の平均移動線同士の交差を利用して分析する「ゴールデンクロス」「デッドクロス」が挙げられます。
デッドクロス ⇒短・中期線が中・長期線を上から下に抜ける動きを取る《売り》
「ゴールデンクロス」「デットクロス」それぞれがトレンドの転換点を表しています。
「ゴールデンクロス」の場合は下落トレンドから上昇トレンドに変化したという買いサイン。一方で「デッドクロス」は上昇トレンドから下落トレンドに変化したという売りサインであると判断できます。
グランビルの8法則に当てはめてみると、「ゴールデンクロス」はグランビルの第1の法則、「デッドクロス」はグランビル第5の法則に該当します。
TradingViewで移動平均線を利用するオススメの方法
移動平均線を使いこなせれば、相場のトレンドを推し量ることができ、損小利大を実現する第一歩を踏み出すことができます。
ただ、TradingViewで移動平均線を使うためには少し注意が必要です。
もちろん、TradingViewにも移動平均線は内蔵されていますが、一本につき一枠分のインジケーターを消費するため、無料で利用することができません。
残念と思われるかもしれませんが、せっかくなので一つのインジケータで3本の移動平均線を記載することのできるオリジナルのインジケーターを作成しました。
//@version=3 study('Moving Average 3Line', overlay=true) emaOrSma = input(title="EMA or SMA?", defval="EMA", options=["EMA", "SMA"]) maPeriod_short = input(title="MA Period Short", type=integer, defval=25, minval=1, maxval=10000) maPeriod_medium = input(title="MA Period Medium", type=integer, defval=75, minval=1, maxval=10000) maPeriod_long = input(title="MA Period Long", type=integer, defval=200, minval=1, maxval=10000) showOrder = input(title="Show Order?", type=bool, defval=true) short = emaOrSma == "EMA" ? ema(close, maPeriod_short) : sma(close, maPeriod_short) medium = emaOrSma == "EMA" ? ema(close, maPeriod_medium) : sma(close, maPeriod_medium) long = emaOrSma == "EMA" ? ema(close, maPeriod_long) : sma(close, maPeriod_long) UpTrend = short[1] > medium[1] and medium[1] > long[1] ? true : false DownTrend = short[1] < medium[1] and medium[1] < long[1] ? true : false plot(short, color=orange) plot(medium, color=red) plot(long, color=blue) bgcolor(UpTrend and showOrder ? red : white, transp=90, offset=-1) bgcolor(DownTrend and showOrder ? blue : white, transp=90, offset=-1)
上記のコードをpineスクリプトに貼り付けることで無料プランの人でも簡単に3本の移動平均線を利用できます。
ちなみに上記コードのデフォルトでは、移動平均線の期間はそれぞれ、短期25(橙)、中期75(赤)、長期200(青)と設定しています。
なお、TradingViewではチャートのスケールによってそれぞれの期間が変わります。
例えば、1分足では25分、75分、200分でそれぞれ移動平均線が算出されますが、1日足では25日、75日、200日で表示されます。
また、短・中期線が中長期を下から上に抜いた「ゴールデンクロス」の期間は赤、逆に短・中期線が中長期を上から下に抜いた「デッドクロス」の期間は青で表示しています。
設定を修正するで自由にカスタマイズできるので、自分なりに使いやすい期間を設定してトレードにお役立てください。
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