移動平均乖離率とは?計算式や使い方について解説

移動平均乖離率は、現在の価格が移動平均線からどれぐらい離れているかを%で表した指標です。

非常にシンプルな指標で相場が反転すること予想し、価格の天井と底を判断するために、逆張り投資に使われます。

概要対象者:FX・株で使える移動平均乖離率の手法を知りたいテクニカル分析の入門者

  • 移動平均乖離率の概要(定義・根拠・特徴)
  • 移動平均乖離率の手法(目安・)
  • 移動平均乖離率のオススメツールTradingview

移動平均乖離率とは?

指標 MAER(移動平均乖離率、Moving Average Estrangement Rate)
難易度 1.0
仕組み 価格が平均移動線からどの程度離れているかを示す指標
用途・手法 市場の加熱感の把握
買いシグナル
  • マイナスからプラスに転じた時
  • 指標が一定以下に下がった時
売りシグナル
  • プラスからマイナスに転じた時
  • 指標が一定以上に上がった時
設定値(期間) 日足:10日、25日、75日
週足:13週、26週
備考 価格の振幅(上下の動き)が大きい時ほど有効的な傾向にある。

移動平均乖離率とは、移動平均線と、現在の価格がどれだけかけ離れているかを数値化したものです。

マイナスの数値が大きければ大きいほど買い時で、プラスの数値が大きければ大きい売り時です。

移動平均値が上昇中であるか下降中であるかは関係ありません。

価格が移動平均線からどれだけ離れているかだけを分析します。。

移動平均線に対する大幅な乖離はやがて必ず修正されるという経験則が前提にあります。

これは、価格が移動平均線よりも下にあると割安感から買いが入りやすく、逆に上にあると割高感から売りが入りやすいという動きが多いからです。

移動平均乖離率の使い方

移動平均乖離率は、一定以上になった時に売りサイン、一定以下になった時に買いサインとして天井や底値圏のタイミングを捉える参考にするのが基本的な使い方です。

ただ、基準となる移動平均線乖離率は、市場によっておおきく異なります。

株式であれば個別銘柄ごとにその発行済み株式数や浮動株の割合によって、極端なばらつきが見られるため、移動平均線乖離率を利用するときは判断したい市場の過去データを十分に検証する必要があります。

参考:東証1部の主要銘柄の移動平均乖離率の基準
  • 5日移動平均線:±10%
  • 25日移動平均線:±20~30%

移動平均乖離率の計算式

移動平均乖離率は、一定期間の平均価格を基準として、現在の価格が何%なのかを表します。

移動平均乖離率の計算式

移動平均乖離率 = (価格 ー 一定期間の平均価格)/一定期間の平均価格 × 100%

一般的によく使われる期間は、移動平均線と同じで、日足であれば25日・75日、週足であれば26週となります。

ダマシを最小限にするために、中、長期的な視点は月足チャートを参考に、日足チャートでタイミングを見るというように利用しましょう。

使い方参考例

短期の動きを見る・・・25日株価移動平均乖離率

中長期の動きをみる・・75日株価移動平均乖離率

適切な相場

移動平均乖離率では、短期間に大幅下落が見られる場合、さらに安くなるよりも、短期的に価格が値を戻す(リバウンド)という考えに基づいて使われることが多いです。

そのことから、オシレーター系の指標といえ、基本的にはトレンド相場よりもレンジ相場の方が向いている指標といえます。

特に短期的な価格の上下の動きが大きいときほど有効です。

上下の動きが大きいときは、何かが価格に影響していて感情が揺り動かされた投資家が多いと判断し、振れ幅を平均化することで転換点を捉えるのに有効です。

ただし、リバウンド狙いのいわゆるツッコミ買いなるケースが多々見受けられます。高値で買っていた場合でも、あわてずに戻りを待ってからでも遅くはないでしょう。

移動平均乖離率を他の指標と組み合わせて利用しよう

移動平均乖離率は名前だけでみると、非常に難しそうなイメージをもたれますが、ただの移動平均線と価格の差です。

簡単に利用できる一方で、補助的な役割を果たすことのほうが大きいです。

他の指標や抵抗線と合わせて見ることで判断力を高めましょう。