カギ足は、値動きを表すタテ線とそれらを結ぶヨコ線が組み合わさったトレンド系テクニカル指標のチャートの一つです。
練行足チャートと同様に、カギ足には日本で生まれた非時系列チャートで大局を見るのに優れています。
概要対象者:FX・株のステップアップにカギ足を学びたい中級者
- カギ足の概要(特徴・メリット&デメリット)
- カギ足の見方(一段抜き・五嶮)
- カギ足の設定値
カギ足とは?
カギ足とは、価格が一定の値幅を動いたときだけ、2色のタテ線とヨコ線を書き足していく非時系列チャートの一つです。
先の曲がった棒状の金属である鈎という道具の形に似ていることが由来としてカギ足と名付けられました。
カギ=キー(key)を連想されることから英語ではkey chartと呼ばれることもあります。
「」のカギも同じ由来で、1870年代、日本の株式市場で考案されたチャートです。
- 設定値以上の同じ方向の値動き⇒タテ線
- 設定値以上のトレンドと逆方向の値動き⇒ヨコ線+タテ線
カギ足では凸の部分を「肩」、凹の部分を「腰」と呼びます。
タテ線が一定以上の値動きがあった場合に書き足し、ヨコ線には意味がなく、逆方向に動きがあった際に書き足されます。
- 定額法カギ足:設定値を絶対値の変動幅で決めるカギ足
- 定率法カギ足:設定値を相対値の変動率で決めるカギ足
カギ足は一定以上の値動きをどのように設定するかで大きく2種類に分類されるので、トレードに合わせて利用しましょう。
カギ足のメリット
- 非時系列チャートの中でも特に横軸の更新がすくないので、大局的な流れをつかみやすく長期投資向け。
- 分析方法は向き、色、パターンと3つからシンプルに分析できる。
カギ足チャートは別名「値幅足」とも呼ばれ、緑が上昇、赤が下落を表し、練行足チャートと同様に時間要素がありません。
他の非時系列チャートと同じように、カギ足はローソク足と比較して比べて、価格の方向性がわかりやすい特徴があります。
練行足チャートとの違いは同じ方向に向かって動いていても大きな値動きが合った際に練行足は複数のブロックで表示されるのに対し、カギ足は一本の縦線で表されるので横幅が短くなり、より大局を見るのに優れているという点にあります。
「向き」「色」「パターン」の3つから簡単に分析できるというのもメリットでしょう。
カギ足のデメリット
- 値動きの設定にかなり敏感なため、最適な値を見つけるのが難しい。
- 市場ごとに最適な値を見つける必要があるので複数の市場で投資をするトレーダーには不向き。
- カギ足単体は推奨されず、他のテクニカル分析と組み合わせる必要がある。
カギ足は、値動きの設定にかなり敏感な非時系列チャートであることが最大の欠点です。
一定以上の値動きがない限りは変化がないチャートになります。
また、初心者にとって分かりづらいことに加えて、市場によって最適な設定値が異なるので、市場ごとに手探りしなければならないこともデメリットでしょう。
また、当サイトが調べてみたとろこ、カギ足チャートでのシグナル単体だけでは大体40%程度の勝率しかありません。
他のテクニカル指標と組み合わせて使うのが一番の使い方といえるでしょう。
カギ足の見方
カギ足は、一般的に日足でみることが多く、トレンド把握や売り買いシグナルとして活用できます。
カギ足でトレンド把握
カギ足の「肩」と「腰」の位置をみることでトレンドが判断できます。
- 肩を結んだトレンドラインが右肩上がりである「肩上がり」⇒上昇トレンド
- 腰を結んだトレンドラインが右肩下がりである「腰下がり」⇒下落トレンド
グラフが右肩上がりの「肩上がり」はここから来ているという説があります。
ぱっと見で右側が高ければ上昇トレンド、低ければ下落トレンドと思ってもいいでしょう。
また、上昇トレンドにおける安値、下落トレンドにおける高値が基準値となり、それを超えたタイミングで色が変わるので、全体的に色の割合から判断することもできます。
カギ足のパターンでシグナル把握
一段抜き
直前の「肩」を抜いて上昇したカギ足のことを上昇の「一段抜き」、「腰」を抜いて上昇したカギ足のことを下落の「一段抜き」といいます。
- 上昇の「一段抜き」⇒買シグナル
- 下落の「一段抜き」⇒売りシグナル
2つ前の肩や腰を抜くことを「二段抜き」といったりします。
下降トレンドが長く続いた後で肩を抜いたり、下落トレンドで腰を抜いたりした場合は、トレンド転換の可能性あります。
五嶮
二連続で「肩」や「腰」を抜いた場合は「五嶮」といい、トレンド転換の可能性が一段抜きよりも高くなります。
ただ、腰と肩がともに切り上がっているか、切り下がっているか確認してください。
抜く数が多いほど強いトレンドのサインとなるので、五嶮が発生したらトレンドが変わったことを疑いましょう。
三尊
有名なチャートパターンであるヘッドアンドショルダーは、カギ足でもそのまま反転サインとして通用します。
下落が続いている底付近で、1つ目の肩が2つ目の肩と同じような高さになっている場合は「逆三尊」と同じようにトレンドが上昇に転換しやすいでしょう。
逆に上昇が続いている天井付近で、1つ目と2つ目の腰がおなじような高さで真ん中の肩が一番が高くなる三尊が出現したら、下落トレンドに転換する可能性が非常に高いことに注意してください。
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カギ足の設定方法
カギ足の設定値は、通貨ペアや銘柄によってボラティリティの大きさは違うので、相場に応じて値幅を選ぶ必要があります。
- 定額法カギ足:5円、10円、20円、50円、100円、200円
- 定率法カギ足::1%、2%、3%、5%、10%
基本的に値動きが激しい市場で大きく、少ない市場で小さく設定値を決めることになります。
初心者だと設定値の判断が難しいので、まずはATR(Average True Range)の設定を利用するがオススメ。
ATRは一定期間の過去の値動きから、平均的な値幅を算出する設定のことです。
時間経過とともに自動で平均値を割り出しサイズ調整しますが、必ずしも最適な値とは限らないので注意しましょう。
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カギ足を使うならTradingViewがおすすめ
FXや株などでローソク足だと流れがいまいち判断できない人は、中期的なトレンドを大まかにつかむのに向いているカギ足がオススメ。
カギ足はエクセルでも作れなくはないですが、IF文とMAX、MINなど様々な関数を組み合わせて作らなくては行けないので正直チャートツールを利用するのが早いでしょう。
なかでも、TradingViewであれば、有料プラン「PRO+」になりますが、カギ足を自動で描画してくれます。
エクセルでカギ足を作っている暇があったら、様々な銘柄のカギ足を分析してトレンドの転換点を日々ウォッチしたほうがチャンスを逃さないことにつながりますよね。
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