リアルタイムのランド円チャート
ランド円の特徴
ランドは南アフリカの通貨です。
ランド円は高金利通貨
ランドは高金利通貨の一つなので、ランド円の特徴としてスイングトレードないしはスワップトレードに向いています。
逆にメジャー通貨と比較すると取引量が少なく流動性が低いため、ディトレードには向いていません。
外的要因からの影響を強く受けるため、テクニカル分析やファンダメンタルズ分析があまり効果がないということも頭にいれましょう。
コロナショックや先進国の政策金利の影響から、以前と比べ低金利ではありますが、中長期的には高金利になるでしょう。
ランド円は新興国通貨
ランドは新興国通貨の一つで、利益が大きく見込まれるものの、政策金利や政治不安で相場が大きく変動しやすいという特徴があります。
新興国の頭文字をとったBRICSという言葉がよくきかれますが、ブラジル、ロシア、インド、中国に続き、期待される国が南アフリカになります。
世界銀行からも「南アフリカの経済成長は期待できる」という評価されているんだ。
- Brazil
- Russia
- India
- China
- South Africa
南アフリカの経済は19世紀後半にダイアモンドや金が発見されたことで鉱業を中心に成長し、原資として製造業や金融業が発展してきました。
近年では主力産業の割合が鉱業から金融や保険へと拡大し、2006年のGDPの内訳ではサービス業が66.4%と先進国同様に第三次産業の割合が高い国になりました。
外国資本の力なしでは経済が成り立たないリスクを念頭において、ランド円には慎重に投資を行ってください。
ランド円は資源国通貨
ランド円の特徴として、資源国通貨であることも注目です。
南アフリカの鉱山部門がGDPに占める割合は約6.8%と大きな割合を占めています。
ただ、近年、一部の資源で産出量が減ってきたことで少しずつ相関関係が弱まっています。
例えば、南アフリカでは2007年まで金の産出量が世界一でしたが、今は世界7位に下落しています。
以前はランドと金は強い関連性がありましたが、産出量が減ったことで最近ではあまり重要視されていません。
実際に、2007〜2011年の間に金価格が急上昇した一方で、ランド円はそれほど上昇しませんでした。
産出量が減ると相関関係性が弱くなるといえ、今後もランド円と金との関係性は強くならないでしょう。
ランド円の推移
年 | 歴史 |
---|---|
1994年 | アパルトヘイト廃止 |
1997年 | 高失業率により景気停滞が続く |
1999年 | 景気回復 |
2002年 | インフレが進行し、SARBは金利引下げを実施 |
2003年 | 景気低迷が底をうち、内需を中心に回復 |
2007年 | 実質経済成長率が5.1%に回復 |
2009年 | リーマンショックによる世界経済停滞から下落に |
2010年 | 新興国の中でも高い潜在成長率 |
2016年 | 中国の経済不安を発端とする「南アランド・ショック」が発生 |
2017年 | ゴーダン財務相の更迭により政治混乱が予想されたことで南アフリカの格付けが下がり、下落傾向に |
アパルトヘイト廃止
1970年代には1ランド500円以上を記録していましたが、アパルトヘイトの人種隔離政策が市場から否定的に評価され、年々下落していきます。
1994年にアパルトヘイトを廃止するも高失業率の問題から1997年後半までは経済の停滞が続きました。
アパルトヘイトは南アフリカ経済に大きな影を落とし、景気回復は1999年まで待つ必要がありました。
インフレによる金利引き下げ
2002年にはインフレが進行し、高金利やランド高に苦しみ、成長が鈍化したことでSARBは金利引下げを実施します。
それでもランド高は是正されず、輸出が悪化し、成長率も1.9%まで落ち込みました。
景気低迷は2003年に底を打つと内需を中心に回復し、2007年には実質経済成長率が5.1%に回復します。
リーマンショックによるリスク回避の影響
景気回復したのも束の間で2009年のリーマンショックによる世界経済停滞の余波をうけて南アフリカの経済成長率は-1.7%に落ち込みました。
2010年に再度2.8%台に回復したものの、2011年8月に入り、アメリカの格付けが引き下げられたことやギリシャ危機が深刻化したことを受け、リスク回避の動きが強まり、ランド円の下落がはじまりました。
ランド円は7円65銭の最安値をつけたあと、金利差を狙ったランド円買いもあり、12円付近でのもみ合いが2年あまり継続しました。
政治混乱にコロナによる高失業率
2017年、南アフリカの財政再建で評価されたゴーダン財務相の更迭により南アフリカランドは大きく下落します。
南アフリカの財政は決して好調とは言えず、通貨の下落につながりました。
2020年に、新型コロナが世界的に感染拡大すると市場不安がおき、ランド円は一時5円台まで暴落します。
南アフリカで新型コロナの変異種が発見されて混乱がおきましたが、金利も徐々に回復し、円安の影響などで8円台まで回復を見せました。
金利は今後も段階的に引き上げられると予想され、南アフリカランドに資金が流入する要因となると言われています。
ランド円の主な変動要因
ランド円の主な変動要因として、South African Reserve Bankの金融政策、、NY株価とコモディティ価格が挙げれます。
- South African Reserve Bankの金融政策
- NY株価
- コモディティ価格
なお、短期的にはランド円は金利ではなく、輸出産業の落ち込み、経済成長率に反応します。
South African Reserve Bankの金融政策と経済政策
South African Reserve Bankは、CPIを3〜6%の範囲内に収めようとするインフレターゲティングを採用しています。
南アメリカの金融政策を見るうえでSABRのインレターゲットは注目しましょう。
過去の政策金利の発表と為替の値動きでは、発表前に既におりこみ済みなことが多く、発表時点では影響が見られません。
2003年6月から、ドルランドは利下げにもかかわらず下落がとまらず、逆に2006年利上げが始まっても上昇が止まりませんでした。
むしろ、金利引き締め時には下落し、金利緩和時には上昇する逆相関の動きがみられます。
インフレを沈静化するために金利を引き下げるときは、むしろ景気重視のスタンスからランド買いのタイミングとなります。
その反対にインフレを利上げで抑えようとするときには景気が悪化することから、ランド売りが強まると考えれるでしょう。
結果的に通過は金融政策をゆっくりとあとからおう傾向が見られます。
NY株価
世界に影響力を持つアメリカ経済のバロメータといえるNYダウは、ランド円にも大きく影響を及ぼします。
NYダウの動き次第で、市場のリスク許容度が変化するため、新興国通貨であるランドに影響を与えます。
したがって、南アフリカの経済指標と同時にアメリカ指標に注目しましょう。
コモディティ価格
世界有数の鉱山資源国家である南アフリカのランド円は、原油価格などコモディティ価格の動きとも相関が見られます。
プラチナ、金、ダイヤモンド、クロム、バナジウム、鉄鉱石などの鉱山資源の価格変動で相場が大きく動きやすいです。
資源国通貨であるランド円の価値は資源価格の価値が高まると同等に高まります。
投資する際は通貨と資源の両方の関係性を把握しておくことが大切です。
ランド円は流動性が低いことから、市場がリスク回避の流れになると投機マネーの流入が細りコモディティ価格との連動性が低くなります。
ランド円の攻略法
ランド円は、基本的に金利の高い資源国通貨として投資家にとって魅力的です。
- ランドは代表的な資源国通貨であり、いまだ高金利通貨でもある。
- アメリカ経済や世界経済に連動することが多く、南アフリカの指標よりもアメリカの経済指標をみて取引するほうがよい。
- 金利と為替は時間ギャップがあり、反対の動きが多く見られる。
長期投資の場合はあまり一喜一憂せずに、じっくりと攻略したほうがよいでしょう。
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