オーストラリアドル為替レートのリアルタイムチャート

オーストラリアドルの推移

資源開発による経済成長

資源価格の上昇を追い風に、オーストラリアは21世紀から鉱山などの資源開発に積極的に投資を行ってきました。

資源開発投資がオーストラリアの雇用の一部を担い、海外投資家や事業会社による投資や消費を促すなど経済発展をとげました。

経済成長に伴い、オーストラリアドルの価値は上昇していきます。

リーマンショックを端に金利引き下げ

世界的な景気後退により、2008年8月に7.25%あったオーストラリアドルの金利は2021年には0.1%まで引き下げられました。

金利面では利下げによって高金利通貨としての魅力は薄れ、オーストラリアドルの下落要因が強まります。

オーストラリアドル円も大幅に下落するなど、投資家にとっては高金利通貨の魅力の裏にある為替急落リスクをも知ることになりました。

オーストラリアドル円の上昇

2010年末からNYダウの上昇がオーストラリアドル円の上昇を引き起こします。

アメリカの量的緩和などから、ドル円の下落が強まったことが原因とも考えられます。

アメリカ追加金融緩和の動きはドル売りとNYダウ上昇を引きおこすもので、この状況が続く間はオーストラリアドル円とNYダウの動きにそれほど強い相関性は現れません。

コロナからの回復

新型コロナウイルス感染拡大によって、2020年の経済成長率はマイナスに転じます。

コロナショック初期から大胆な財政・金融支援策を実施したことでオーストラリア経済は他国と比べ悪化せず、コロナショック以前の水準にまで回復しました。

オーストラリア政府は2021年11月6日、16歳以上のワクチン接種率が80%に達したと発表しました。

ワクチン接種率の増加に伴い、経済活動や行動制限を緩和したことで、オーストラリアドル円は上昇し始めています。

オーストラリアドルの特徴

オーストラリアドルは世界No.5に取引量の多い通貨です。

オーストラリアドルは資源国通貨

オーストラリアの人口は約2,000万人ですが、代表的な資源国の一つです。

石炭、鉄鉱石、ボーキサイト、ニッケル、銀、亜鉛など豊富な鉱山資源の世界有数の産出国であると同時に農業大国でもあり、小麦、羊毛、牛肉、乳製品など農産品の2/3を輸出していきます。

豊富な資源による貿易がオーストラリア経済を牽引しており、主な取引先は経済発展を遂げた中国となっています。

オーストラリアドルは低リスク通貨

政治面や経済面での不安要素が少なく、オーストラリアドルは低リスク通貨となります。

オーストラリアドルはかつて高金利通貨の代名詞とされていた時代もありました。

現在の政策金利は0.35%と下がったことで、高金利通貨としての注目度は下がっています。

しかし、2018年までの28年間にわたりプラス成長を実現していることもあり、大手格付け会社3社(S&P・Moody’s・Fitch)が、最上級の「AAA」の格付けをつけている数少ない国の一つです。

今でも人気が高い通貨となります。

オーストラリアドルの主な変動要因

オーストラリアドルの主な変動要因
  • 政策金利
  • コモディティ価格(原油・金・食料など)
  • 世界景気(中国・日本・アメリカ)

政策金利

オーストラリアドル円とオーストラリアドル金利の動きには相関が見られます。

RBAオーストラリア準備銀行の金融政策を注目することが重要になります。

市場は政策金利の転換時や追加利上げ・利下げの観測が強まった時点で、既に先回りして反応します。

コモディティ価格

資源国通貨であるオーストラリアドルはコモディティー価格の影響を大きく受ける傾向が見られます。

特にオーストラリアドルはコモディティー代表である原油価格とも強い相関があります。

原油は2007年頃から価格は急上昇し、2008年7月には1バレル147ドル付近まで上昇して天井となりました。

2009年2月には35ドルを割り込むまでに下落したのですが、オーストラリアドル円も同じ動きをしていたのです。

世界経済の影響

中国経済の影響

オーストラリアの最大輸出相手国は、日本から中国に変わりました。

中国経済のオーストラリアに対する影響は大きいです。

実際に2009年4月に発表された中国第一四半期GDPが前年同月比でプラス6.1%と約10年ぶりの低成長に落ち込むと、オーストラリアドルも下落に転じました。

過去にオーストラリアドルが中国経済指標でこれほど影響を受けたことはありませんでした。

アメリカからの圧力により人民元高がさらに進み、貿易黒字額が減少に転じることで資源国からの輸入は減少するとの観測もあります。

中国の景気もここに来てかげりを見せ始めました。

今後も中国経済の影響力は更に拡大するものと予想され、注目されます。

    NYダウとの相関も高い

    一般的には、基軸通貨であるアメリアドルを中心に円やオーストラリアドルは動きます。

    オーストラリア経済はアメリカの経済や株式市場の動向にも影響されやすい傾向があります。

    ニューヨーク株価上昇によりリスク思考が高まると、比較的リスクの高い高金利通貨のオーストラリアドルなどが買われるという構図をしています。

    日本からの投資の影響も大きい

    円とオーストラリアドルの相関が強く、チャートでは一部の期間を除き、ドル円とオーストラリアドル円が同じような動きを見せています。

    オーストラリア円の取引が活発に行われており、日本からの投資がオーストラリアドルの動向に大きく影響していることを示すものです。

    タイトルが入ります。
    • 市場リスクが高いとき:ドル中心
    • 市場が安定しているとき:円中心