VIX(恐怖指数)とは?計算式やチャート、目安・使い方から日本版VIX指数をわかりやすく解説

日経新聞やロイターなどを読んでいる人であれば、一度は目にしたであろうVIX(恐怖指数)。

VIXは、株式市場の先行きに対する投資家の心理状態の理解するのに活用できるってご存知でした?

概要対象者:VIX指数について知りたい株式投資の中級者

  • VIX(恐怖指数)の概要(定義)
  • VIX(恐怖指数)の計算式と意味
  • VIX(恐怖指数)の使い方

FXや株で使われるVIX(恐怖指数)とは、どんな指標?

VIXチャート

指標 VIX指数(恐怖指数、Volatility Index)
難易度 3.0
仕組み シカゴ取引所のS&P500のオプション価格からボラティリティを予測
用途・手法 株式市場の先行きに対する投資家の心理状態の理解
設定値(期間) 30
備考 理論上は暴騰した場合も高くなる。

VIXとは、アメリカの株価指数S&P500における将来(基本は今後30日間)の値動きを表す指数

価格変動が大きくなると予測されるとVIXが高くなるのですが、一般的に下落相場のほうが価格変動のスピードが早いので暴騰よりも暴落する傾向が多いことから、恐怖指数とも呼ばれています。

値動きの変動幅をボラティリティと言いますが、なかでも将来の値動きの予測をインプライド・ボラティリティといい、オプション価格をもとに算出されます。

ボラティリティ(変動率)とは?

価格変動の大きさ。

  • H.V.(ヒストリカル・ボラティリティ、歴史的変動率)…過去の値動きの大きさを表したもの。
  • I.V.(インプライド・ボラティリティ、暗示的変動率)…未来の値動きの大きさを表したもの。

オプション取引は一定の価格で購入する権利を取引するので、値動きが大きければ大きいほど利益が期待できることからオプション価格が高くなります。

オプション価格はどうやって決まる?

オプション価格 = 本質的価値 × 時間 × ボラティリティ(IV)

  • 価格変動が大きくなると予測⇒オプション価格が高くなる。
  • 価格変動が小さくなると予測⇒オプション価格が安くなる。

この性質を利用して、インプライド・ボラティリティは算出されるのです。

VIXは、世界で最も流動性が高い市場の一つといわれる、シカゴ・オプション取引所におけるアメリカ株価の時価総額約80%を占める指数「S&P500」のオプション価格から逆算されます。

AA

VIXとは、世界的な株式市場の先行きに対する投資家の心理状態を表したものと言い換えることができるでしょう。

日本版VIXは?

VIX指数と同じ概念で算出された日本版VIXとして、日経平均VIという指標があります。

日経平均VIは、日経平均の株価指数のオプション価格から逆算されます。

日本のテクニカル分析者の第一人者である小次郎講師がVIXについて非常に分かりやすい説明をしているので、まずは次の動画をご視聴ください。

なお、小次郎講師は上記の動画にもあるようにTradingViewと呼ばれるツールをオススメしています。

アラートの設定などもできるので、VIXを監視するツールとして使い勝手がいいので、詳しく知りたい人向けに次の記事で参考にするといいでしょう。

VIX(恐怖指数)の計算式は?

VIXの計算には、高度な統計学の知識が必要でブラック・ショールズ方程式から次のように算出されます。

VIXT=100×期待値·1T0Tボラティリティ2(t)dt

満期までのS&P 500の平均ボラティリティの期待値で、年率で何%動くと期待されるかを示したものがVIXなのです。

0~100の数字(パーセンテージ)で表されます。

例えば、VIXが18であれば年率±18%動く可能性があると市場が見ていることがわかります。

1年は12ヶ月あることから、予想変動率を12の平方根でかけても計算できるでしょう

VIX=予想変動率(%)×12×100

VIX(恐怖指数)の使い方

株式投資の投資判断にVIX(恐怖指数)を使う

VIX(恐怖指数)は、目安として通常10~20%で動きます。

VIX(恐怖指数)の目安
  • 10~20:市場が安定している
  • 30:警戒領域
  • 40~:パニック状態

40以上は値動きが激しく市場が不安定であることから、パニック状態にあると判断できます。

したがって、VIXが30~40まで高まった段階で株式投資を避けるという判断をすることで、急激なリスクをとらないという使い方が考えられるでしょう。

株式投資のリスクヘッジにVIX(恐怖指数)を使う

VIX(恐怖指数)に連動するETFを購入することで、株式市場が下落しているときのリスクヘッジとしても活用できます。

なぜなら、VIX(恐怖指数)は株価が安定しているときは低く、暴落するタイミングで高くなる傾向があるからです。

VIX(恐怖指数)は直接投資することはできませんが、VIX指数先物で運用するETFやETNを購入することでVIXに投資しているのと同じ効果を期待できます。

VIXは、実際にS&P500との相関係数は-0.25と低いため、株式投資との分散投資効果は高いでしょう。

VIX(恐怖指数)とテクニカル分析と組み合わせ利用しよう

VIXは、日本では恐怖指数という名称から暴落するイメージが多いですが、アメリカの株価指数S&P500における将来(基本は今後30日間)の値動き幅を表す指標です。

あんまり発生しないですが、暴騰する場合でも高くなるので、注意しましょう。

貴重なお金を使って投資する以上、正しい知識を得た上で投資を行っていきましょう。

テクニカル分析やファンダメンタルズ分析について学んだ上で投資をすることが勝率を上げていく近道。

当サイトでも解説をしていくので、ぜひご利用ください。