レラティブストレングス

レラティブストレングス他の市場と比較した個別の相場の値動きの強さを表した指標で、相対的に上昇している投資対象を判断することができます。

初心者向けのテクニカル分析の一つで、企業情報や経済状況のファンダメンタルズ以外のトレード根拠を見つけられます。

ディトレに必要不可欠で、高騰する可能性がある銘柄を探すのにも最適です。

この記事ではレラティブストレングスの概要、活用方法、オススメ証券やツールなど初心者が抑えておきたい情報をまとめました。

レラティブストレングス(相対力比較、RSC)とは?

レラティブストレングスとは、他の市場と比較した個別の相場の値動きの強さです。

アメリカの投資家ウィリアム・オニール氏が提唱したインジケーターで、上昇している銘柄を見つけるのに最適。

主に株式相場で利用されるので、今回は株式市場を例に説明します。

一般的に相場はトレンドに沿って一方向に進みやすいというのは、経験したことがある人もいますよね。

「上昇トレンドに乗っている銘柄に投資するのがいい」と、レラティブストレングス考案者のウィリアム・オニール氏は著書でも説明してますが、投資しようとしている銘柄の上昇が市場が好調だから値上がりしているのか、銘柄独自の要因で値上がりしているのかわからないですよね。

なにかを判断するときには基準が必要なのは当然です。

例えば、ある住宅が5,000万円で買えるとしても、割安か割高か判断がつかないでしょう。

六本木にある一軒家だったら安いですし、逆にジンバブエの田舎の山にある一軒家だったら割高となりますよね。

高いか低いかを判断するのに、周りの値段と相対的に比較しているから判断ができるのは、株価も同じ。

レラティブストレングスは、株価の値動きが強気なのか、弱気なのかを他の銘柄や株価指数と比較判断するためのインジケーターなのです。

特に日経平均株価指数と比較することが多いです。

日本経済の温度計となる日経平均株価指数と比較することで、相対的に高ければ市場の動きに関係なく上がっていると判断できるので、個別要因で上昇相場だと判断できます。

分析方法が簡単なので、初心者でも手軽にできますよね。

信頼性が高い投資をしていきたい人は、レラティブストレングスの比較方法を覚えておきましょう。

レラティブストレングスを活用した比較方法

レラティブストレングスの活用方法は、単純にチャートを見て判断というより銘柄を厳選する指標の一つとして使います

ファンダメンタルズ分析で銘柄をしぼった後にレラティブストレングスで判断することで、今までと比較して自信をもって売買できますよ。

スクリーニングでレラティブストレングスで比較する下準備

当然ですが、個別銘柄を比べる前には良い条件の銘柄を探す必要がありますよね。

レラティブストレングスに向いている銘柄は「小型成長株」です。

スクリーニングツールを活用して、企業情報を分析して自分が良いと思った銘柄を絞りましょう。

レラティブストレングスを活用する際にスクリーニング条件で絞る項目
  • 規模:500億円以下
  • 収益から見た割安性
  • 資金の効率性
  • 財務健全性
  • 成長性:30%以上
  • 収益性

    銘柄は一つにしぼる必要はなく、複数選択しても分析できます。

    スクリーニングして銘柄をしぼったら、早速レラティブストレングス活用して株価の動きから投資対象を決定していきましょう。

    レラティブストレングスで投資先を比較

    投資対象がしぼられたら個別銘柄と日経平均株価指数を比較して、レラティブストレングスを見ていきましょう。

    レラティブストレングスの買いパターン
    日経平均株価指数 個別銘柄
    上昇 強い上昇
    上昇(押し目) 上昇
    横ばい 上昇
    下落 上昇
    下落 横ばい
    下落 比較的ゆるやかに下落

    日経平均株価指数が下落している、つまり市場が下落傾向にあるにも関わらず、上昇している銘柄や横ばいにとどまっている銘柄は、今後高騰する可能性が高いと判断できます。

    なお、レラティブストレングスが70以上、できれば80以上と相対的に強ければ買い判断されます。

    レラティブストレングスの比較におすすめな証券・ツールは?

    レラティブストレングスの具体的な比較方法は利用ツールによって異なりますが、チャート画面で操作できるものが大半。

    とはいえ、マネックス証券や楽天証券は現時点ではレラティブストレングスを利用できず、一部の証券会社のみでの提供となっています。

    オススメなツールは株、FX、仮想通貨などあらゆる市場で活用できるTradingViewですが、SBI証券を利用している人はまず利用している証券会社でもいいでしょう。

    レラティブストレングスをSBI証券で活用する

    SBI証券のレラティブストレングスツールでは、複数の銘柄を一気に比較するのに向いていませんが、2つの指数化チャートだけであれば比較することができます。

    SBI証券でのレラティブストレングス活用方法
    1. 個別銘柄のチャートを開く。
    2. 「テクニカル」バーをタップする。
    3. 「設定」メニューをタップする。
    4. 「比較チャート」の設定を開き、基準となる日時を選ぶ。
    5. 比較したい個別銘柄を選ぶ。
    6. 基準となる指数を選ぶ
    7. 設定を反映し、「比較チャート」を開く

      レラティブストレングスをTradingViewで活用する

      TradingViewとは、ブラウザで利用できる高性能チャートツール。

      内蔵されているインジケーターや分析ツールだけでも圧倒的クオリティのTradingViewですが、かゆいところに手が届くように有志が作成したのが公開スクリプトというのも使えます。

      無料でも利用できるので、まだ利用したことがない人は下記記事を参考にしてください。

      さて、今回はRaviYendruさんが公開した「RelativeStrengthComparative_IBD_YRK」を活用した、レラティブストレングスでの比較方法をご紹介しましょう。

      TradingViewでのレラティブストレングス活用方法

      下記のコードが「RelativeStrengthComparative_IBD_YRK」を日経平均株価用に修正したものとなるので、まずはコピーしましょう。

      // Relative Strength Comparative.
      //Used to compare a Stock's Performance against another stock/index
      //Plots RS Rating which is inspired from IBD's RS Rating and matches to some extent
      //Example: ITC vs NIFTY 50 it will be ITC/NIFTY
      // © RaviYendru
      //@version=4
      study(title="RelativeStrengthComparative_IBD_YRK", shorttitle="RSC", overlay=false)
      hideRSRat = input(false, title="Hide RS Rating")
      src = input(close, title="Source")

      comparativeTickerId = input("NI225", type=input.symbol, title="Comparative Symbol")
      comparativeSymbol = security(comparativeTickerId, timeframe.period, close)
      rs=src/comparativeSymbol
      plot(rs, title="RS Line", style=plot.style_line, linewidth=2, color=color.white)

      // relative strength IBD style
      ThreeMthRS = 0.4*(close/close[13])
      SixMthRS = 0.2*(close/(close[26]*2))
      NineMthRS = 0.2*(close/(close[39]*3))
      TwelveMthRS = 0.2*(close/(close[52]*4))
      RSraw = (ThreeMthRS + SixMthRS + NineMthRS + TwelveMthRS) * 100

      labelText = "RS Rating: " + tostring(RSraw,"#0")
      label1 = (hideRSRat == false) and barstate.islast ? label.new(bar_index, rs, text=labelText , size=size.normal, textcolor=color.white, style=label.style_label_left, textalign=text.align_left, yloc=yloc.price) : na

      //For 4 Year high and low on weekly the value is 244, For 52 week the value can be set as 52 and accordingly
      Barsback = input(233,title="No of Bars Back")
      // calcs high x number days back
      hb = highestbars(rs, Barsback)
      // calcs low x number days back
      lb = lowestbars(rs, Barsback)
      //plots shape on chart at high - Green Dot
      plotshape(hb, title = "High", location= location.top, color=#00ff0a , offset=hb, size = size.tiny, show_last=1, style=shape.circle)
      //plots shape on chart at low - Red Dot
      plotshape(lb, title = "Low", location= location.bottom, color=#ff0000 , offset=lb, size = size.tiny, show_last=1, style=shape.circle)

      1. TradingViewにアクセスして、チャート画面を開く。
      2. pineエディタをクリックして、コピーした上記スクリプトをエディタに貼り付ける。
      3. 左上の「名前無しのスクリプト」をクリックして任意の名前に変更する。
      4. 「保存」をおし、「チャートに追加」をクリックする。

      これだけで、レラティブストレングスが利用できます。

      なお、この指標では100を超えることがありますが、直近3ヶ月で特に強い銘柄を100以上にしているそうなので心配せずに利用しましょう。

      TradingViewでレラティブストレングス活用して高騰銘柄を探そう

      今まで雰囲気で投資した結果、高値づかみをしたり、買ったはいいものの横這いで結局塩漬けしてしまった経験はありませんか?

      レラティブストレングスを活用することで、客観的な事実に基づいて投資をすることができます。

      特にTradingViewがおすすめです。

      そもそもトレードで損する金額と比較して、TradingViewのようなツール利用金額は微々たるものですよね。

      使いやすいツールを導入することで、他のトレーダーよりも優位な状態でトレードしましょう。