RSI(相対力指数、Relative Strength Index)は、一定期間における上昇と下落のどちらの勢いが強いかを判断する指標です。
買われすぎ・売られすぎを判断でき、個人投資家にも人気が高いオシレーター系指標といえます。
概要対象者:FX・株で人気のRSIをわかりやすく知りたい初心者
- RSIとは(意味・設定・計算式)
- RSIの見方(買われすぎ・売られすぎだけでは不十分)
- RSIだけで勝てる買いシグナル・売りシグナル(失敗したスイング)
RSIとは?わかりやすく解説
指標 | RSI(相対力指数、Relative Strength Index) |
---|---|
難易度 | 2.0 |
仕組み | 過去一定期間の上げ幅(前日比)の合計が振り幅の何割を示すか計算して市場の過熱感を判断。 |
用途・手法 | 買われすぎか、売られすぎのような過熱しすぎた市場の天井や底を捉えやすい |
買いシグナル | 下落トレンドの終わりで30%以下 |
売りシグナル | 上昇トレンドの終わりで70%以上 |
設定値(期間) | 日足:14日、22日、30日、42日、52日 週足:9週、13週 |
開発者 | J・ウェルズ・ワイルダー・ジュニア |
発表時期 | 1878年 |
備考 | めったに極端な数字があらわれない |
RSIとは、一定期間において上昇と下落のどちらの勢いが強いか計測する指標です。
主に買われすぎ・売られすぎを判断する指標として活用されています。
「過去の一定期間で、上がった日が何日で、下がった日が何日か」を調べれば、トレンドの勢いがわかると考えのもと生み出されたサイコロジカルラインを発展させたテクニカル指標です。
サイコロジカルラインでいう日数でカウントしているところを値動きの幅で捉えたのがRSIなのです。
1本の線で表されるわかりやすいテクニカル指標であることから、個人投資家のなかで人気。
日本のテクニカル分析者の第一人者である小次郎講師がRSIについて非常に分かりやすい説明をしているので、まずは次の動画をご視聴ください。
なお、上記の動画ではTradingViewと呼ばれるツールを利用しています。
非常に使いやすいので、まだトレードツールを活用していない人はぜひ利用しましょう。
TradingView(トレーディングビュー)は世界中で使われている高性能チャートツール!TradingViewの特徴、評判から無料版と有料版の違い、活用するための基本から応用まで徹底解説
RSIの計算式
RSI = 一定期間の上昇幅の合計 / ( 一定期間の値動き幅の合計 ) ×100%
計算式から、RSIは一定期間の値動きの中で何%上昇したかをグラフにした指標であることが分かります。
一定期間の値動き幅合計を母数にしていることからRSIが100%超えすることはありえないこともわかりますよね。
- 50%<RSI
- 上昇傾向(買い勢力が強い)
- RSI=50%
- 基準(買い勢力と売り勢力が同じ)
- RSI<50%
- 下落傾向(売り勢力が強い)
「設定期間において買い勢力・売り勢力が何%優勢なのか?」ということを判断できるのがRSIなのです。
RSIの期間のおすすめ設定
RSIの設定期間としては、ワイルダー氏が推奨していた14日間が一番よく利用されていてオススメ。
ワイルダー氏の開発した指標は、どれも14に重きをおいています。
ワイルダー氏が様々な株式銘柄を分析した結果、28日周期(14日で上昇し、14日で下落する波がある)で動く傾向にあると信じていたからです。
ただ、実際には14という設定は重要視されなくなっているので、トレードスタイルに応じて変更しても大丈夫です。
RSIは、期間が短いほど上下の動きが激しくギザギザした線になってダマシが多くなり、期間が長いほどなめらかな線でダマシが減る代わりに反応が薄くなります。
RSIの見方は?
RSIの見方は、売られすぎ、買われすぎている相場の反動のシグナルとなります。
RSIの見方!買われすぎ、売られすぎは誤解釈
一般的なサイトは、逆張り的な売買シグナルとして、下記のような説明になっています。
- 買われすぎ(売りシグナル)
- RSI≧70%
- 売られすぎ(買いシグナル)
- RSI≦30%
しかし、RSIの計算式を理解した人なら、おかしくないかと思うかもしれません。
RSIとは相対的に「買い勢力・売り勢力が何%優勢なのか?」を表す指標なので、勢いが優勢と捉えることもできるからです。
- RSI≧50%:買い勢力が優勢
- RSI≦50%:売り勢力が優勢
ただ、上昇トレンドにおいて一度も下落しなかったり、下落トレンドにおいて一度も上昇しないことはありません。
RSIは安定上昇をしているタイミングでも66%くらいで、安定下落で33%ぐらい。
RSIは100や0に近い大きな数字や小さな数字にならない傾向にあります。
相場においてRSIが30%以下や70%以上になるのは、多くの場合に2つのパターンに分類されます。
- トレンドの始まり(もみ合い相場から放たれたとき)
- トレンドの終わり
したがって、RSIが有効になるのは、あくまでもトレンドの終わりのタイミングとなります。
RSIの買いシグナルや売りシグナルがでたとしても、どこで出現したのかを把握するまで「売買」するのは待ちましょう。
非常に強力なトレンドが発生していると、RSIで買われすぎに見える局面でも、さらに相場が上昇することがあります。
同じように売られ過ぎに見える局面の後に相場が下落することもあります。
「急激な値動きが発生したことで、そろそろ利確が出てくる可能性が高いので注意」というサインにとどめておいてください。
RSIのダイバージェンス現象
RSIのダイバージェンス現象とは、RSIが30%以下や70%以上の状態にあるときに価格の動きと逆行する現象を指します。
トレンドが継続しているにも関わらず、RSIが表す価格の勢いが弱まってきたことを示しているため、トレンド転換の可能性が出てきたことをあらわします。。
価格よりも早く反応する場合があることが人気の一因となっています。
ただ、弱まった勢いがまた強くなる可能性は十分ありえるので注意しましょう
RSIのダイバージェンス現象における買いシグナル
価格が下降トレンドなのにRSIが上昇し、価格が遅れて反発してくれば、上昇転換する可能性が高い買いシグナルとなります。
- 下落トレンドでRSIが30%以下
- 価格が下落しているにも関わらず、RSIが上昇(買いシグナル)
- 勢いが弱まっていることから下落トレンドが終わるかもしれないと予想する
- 価格が実際に上がり始めたことを確認してロングポジションをエントリー
- ダマシの可能性があるので、浅めに損切りラインを設定する
RSIのダイバージェンス現象における売りシグナル
- 上昇トレンドでRSIが70%以上
- 価格が上昇しているにも関わらず、RSIが下落(売りシグナル)
- 勢いが弱まっていることから上昇トレンドが終わるかもしれないと予想する
- 価格が実際に下がり始めたことを確認してショートポジションをエントリー
- ダマシの可能性があるので、浅めに損切りラインを設定する
RSIだけで勝てる?失敗したスイング
RSIだけで判断できる「失敗したスイング」という代表的なシグナルもあります。
まず、「失敗したスイング」の前提として、30%以下や70%以上に一度なっている状態である必要があります。
RSIの失敗したスイングの買いシグナル
- 下落トレンドでRSIが30%以下
- RSIの次の波で安値更新に失敗
- RSIの2つの底の間にある価格の最安値を更新
- RSIの失敗したスイングの買いシグナル
RSIの失敗したスイングの売りシグナル
- 上昇トレンドでRSIが70%以上
- RSIの次の波で高値更新に失敗
- RSIの2つの天井の間にある価格の最高値を更新
- RSIの失敗したスイングの売りシグナル
RSIとRCIの違いは?
一文字違いのインジケーターとしてRCI(順位相関係数、Rank Correlation Index)があります。
両方とも、同じオシレーター系のインジケーターですが、完全に別物です。
RCIは時間軸を考慮している分、直近の価格変動に敏感。
一方で、RSIは価格変動に強く100%や0%といった極端な数値になりにくいという性質があります。
RSIはトレンド相場で一方向に値段が動き続けたとしても、高値圏や安値圏で横ばい状態に張り付いてしまうことが少ないです。
したがって、過熱しすぎた市場の天井や底が捉えやすいのがRSIの強みといえます。
トレンド相場で一方向に大きく上昇し続けたり、急激に下げ続けたりした場合の判断はRSIがオススメです。
RSIは他の指標と合わせて使いましょう
RSIは逆張りでトレンド転換時期を確認するのによく利用されます。
ただ、トレンド発生の初期タイミングは基本的にダマシがしばしば起こるので注意が必要です。
トレンドが終わりそうなタイミングで70%を超えて買われすぎ、30%を下回って売られすぎだから利確の可能性がある、と参考にするぐらいベスト。
パターン分析や移動平均線などの他のテクニカル分析と組み合わせて、売買のタイミングの精度を上げましょう。
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