ユーロ円為替レートのリアルタイムチャート

ユーロ円の推移

ユーロ円は、誕生当初アメリカドルの代替通貨として期待がされていました。

年月 イベント
1999年1月 ユーロ誕生(1ユーロ=約90円)
2008年 ユーロへの期待から上昇が続き、史上最高値170円に
リーマンショックで112円付近まで下落
2009年3月 NYダウが底値をついたことで安心感が広がる
2009年11月 ドバイ・ショックを機にユーロは下落に
ギリシャの財政赤字問題が深刻化し、
2012年12月 第二次安倍政権が大胆な金融政策を実施したことで円安が進行
2015年 ECBの金融緩和やギリシャへの支援先読み不透明さからユーロ安にトレンドが転換
2017年 ユーロ圏の経済回復から持ち直し始める
2018年 イタリアでポピュリズム政権が誕生し政治不安が起こり下落に転じる
2021年 日本の継続的な金融緩和でさらなる下落

ユーロ誕生と期待

ユーロ円の誕生した直後は、下落ではじまります。

将来への上昇期待や金利差による中長期の投資通貨としての魅力から、買いポジションが拡大していきます。

実際に、ユーロ円は1999年に誕生した90円付近から2008年には史上最高値170円まで上昇します。

リーマンショックからのユーロ円の混乱

2008年、リーマンショックにより短期から長期まで多くのロングポジションが損切りを余儀なくされ、112円付近まで下落します。

その後、2009年3月にNYダウが底値をつけて上昇に転じると、市場には安心感が広がり始めました。

ユーロ円は、再び上昇に転じて135円でもみ合いに入ります。

ECBは景気回復を背景に金融政策の出口戦略をちらつかせたことで、ユーロはリーマンショック後の高値を記録しました。

ギリシャ危機によるユーロ円の下落

2009年11月25日のドバイ・ショックを機にユーロは下落に転じます。

12月に入るとギリシャの財政赤字問題が深刻化し、ギリシャの格付けが引き下げられ、PIIGSと呼ばれる南欧諸国にまでその危機が飛び火。

ギリシャの財政問題はユーロ圏にまで影響が拡大しユーロの結束まで危ぶまれ、世界的なリスク回避の動きを強めてクロス円の売りが強まりました。

ユーロ危機は、ユーロ誕生以来最大の危機と言っても過言ではありません。

2010年もユーロ円の下落はとまらず、9月には105円付近まで下落。

同時にドル円も下落したことで、日銀は6年半振りに市場介入に踏み切ったことで、ユーロ円も一気に115円台にもどされました。

その後、ECBが金融政策の出口戦略を検討した一方で、アメリカがQE2を実施したことでユーロは対ドルで上昇に転じますが、ドル円の下落の勢いが相対的に強かったことから、ユーロ円は2011年10月に約10年ぶりに100円73線まで下落しました。

第二次安倍政権による円安進行

2012年12月に安倍政権が誕生すると、上昇トレンドに一転。

大胆な金融緩和を実行したことで、円安が進んだことで相対的にユーロ円は上昇しました。

ただ、2015年にギリシャへの支援先読み不透明さが増すと、市場不安からトレンドは再び下落します。

2017年にユーロ圏の経済回復から持ち直し始めるものの、2018年にイタリアでポピュリズム政権が誕生し政治不安が起こりレンジ相場になります。

2021年にECBが金融政策の引き締めた一方で、日本の継続的な金融緩和でさらなる相対的にユーロ円は相対的に上昇します。

ユーロ円の特徴

ユーロ円とユーロドル、そしてドル円の週足の動きを重ねて見ると、ユーロドルとユーロ円はほとんど同じ動きが見られます。

これは、ユーロドルの取引高が圧倒的にドル円を上回っていることが要因でしょう。

ユーロ円の長期のトレンドを見るには、ドル円ではなくユーロドルをメインで見ていったほうがベター。

ただ、ドル円がユーロ円をリードすることもあります。

日本の外貨建て投資信託設定などで動いているとき、ユーロドルが動かずにドル円とユーロ円だけが同じ方向に動き出すクロス円中心の相場になるなどです。

ユーロ円の変動要因

ユーロ円の主な変動要因として、ユーロドルと似通っています。

ユーロ円の主な変動要因
  1. アメリカの動向
  2. ECBの金融政策と要人発言
  3. ユーロ圏各国の債務問題
  4. 日本の外貨建て投信設定や個人の外貨投資の活発化

その時々でユーロドルとドル円のどちらがユーロ円に影響しているかを見極めましょう。